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株式会社 クラフト

“住まいを思う心”を育み、お客様の夢を“かたち”にする

稲村社長

株式会社 クラフト

 

代表取締役 稲村 冨士男

所 在 地

茨城県土浦市中高津1-15-17

事業内容

建築設計・工事、不動産売買・賃貸他

創     業

平成6年5月
http://www.craft-house.jp/

 

 

本社事務所(土浦市中高津) ひとりひとりの家族が思い出をつづり、ともに成長していく大切な場所、それが「家」であるならば、そのひとつひとつの家族が社会と出会う最初の場所、それが「街」なのではないでしょうか。そして、その家づくり、街づくりを支えている、社会的にも重要な事業が建築業・不動産業であると言えます。
 ところが、この2つの事業は長引く景気の低迷から業界全体の地盤沈下が大きく、ここ数年で苦境に立たされている業者が多いことも事実です。
 しかし、土浦・つくば地区を中心に建築・不動産業を営み、急成長を続けている元気な会社があります。今回は、株式会社クラフトの代表取締役稲村冨士男社長にお話を伺いました。

 

 

小規模なリフォーム工事業者としてスタート

 

 

 現在、同社は、2×4(ツーバイフォー)工法を中心とした建築部門、宅地等の分譲を手がける不動産部門、貸しビルや貸し店舗を行う不動産賃貸部門と大きく分けて3つの事業を営んでいます。
 稲村社長は建築及び不動産業を営む会社で、当初は現場監督として勤務し、営業を経て、宅地開発の企画を経験。その頃、宅地建物取引主任者を始めとする各種の資格を取得し、平成6年5月に同社を設立し、独立開業されました。稲村社長に創業当時のお話を伺いました。

 

「創業してからしばらくの間は、主にリフォーム工事の請負を行っていました。リフォーム工事は工期が短く、売上は現金での回収がほとんどですから、資金的な余裕がない状態でも開業することができたんです。」

 

 平成6年の創業当時はバブル崩壊の影響が色濃く、経済情勢はけっして恵まれた状況ではなかったといいます。小規模なリフォーム工事から事業をスタートさせ、徐々に一棟の住宅建築工事の請負へと事業を展開していった同社ですが、現在のような事業規模にまで成長したきっかけは何だったのでしょうか。

 

「開業後3,4年経過した頃、不動産に関するコンサルタントを営んでいた知人の誘いで、定期借地権を利用した事業のお手伝いをさせていただいたことがありました。それがきっかけで、お客様から建築工事を請け負い、同時に、借入に関するアドバイスをしたり不動産に関係する法律のご相談なども受けるようになりました。その頃から徐々に土地を仕入れ、造成等を施し付加価値をつけて販売し、さらに建築を請け負うといったことを本格的に開始し、少しずつ会社としても大きくなってきたように思います。」

 

 

さまざまな顧客ニーズに幅広く対応

 

 

 

 同社は年間30棟に及ぶ住宅建築を手がけており、その高度な施工技術により確固たる事業基盤を築いています。では、大手ハウスメーカーなどとの競合が烈しいなか、顧客の支持を獲得し続けている理由はどこにあるのでしょうか。

 

「当社では2×4工法による施工が6割を占めてはいますが、一番の強みは2×4工法や在来工法にとらわれず、あらゆるお客様のニーズにお応えできる技術やノウハウを持っている点ではないかと思います。オール電化やソーラーシステムを取り入れた家や、デザインに関しても実に様々な様式の家を手がけてきました。最も重要なことは、お客様がどのような家を理想として思い描いているのかを、時間をかけて聞き取ることにあると考えております。ですから当社では、施工後の『しまった!!』がないよう、時間をかけてお客様とのヒヤリングを行い、デザインや工法はもちろんの事、ローンや資金計画についてのご相談に至るまで、綿密な打ち合わせを行っており、また、施工後のアフターメンテナンスにも力を入れています。」

 

 

 

 

コミュニティー再構築への思い ~「向こう三軒両隣」の再考~

 

 

 

 

 このような、顧客の視点に立ったきめ細かな対応の積み重ねが、次の受注に結びつき現在の同社があると語る稲村社長ですが、「家づくり」のみならず「街づくり」についても強い思いがあるようです。

 

「土地の開発・分譲に関しても、単にまとまった土地に造成工事を施し、区画割を行い売却するのではなく、どのようなかたちで区画割を行えばそこに住む人々が良い人間関係を築き、暮らしやすくなるのかを考えて開発を行っています。昔から『向こう三軒両隣』という、日ごろお付き合いするご近所さんを表した言葉がありますが、現代ではこのような温かいコミュニティーが成立しにくくなってきているように思います。当社では、この言葉から伝わってくるような、住む人たちがお互いに助け合う良い関係を築くには、どのような街づくりをしていくべきかを真剣に考えて事業に取り組んでいます。」

 

 

 

 

地元市街地活性化への取り組み

 

 

 さらに、ここ数年で不況の煽りを受け元気がなくなっている地元市街地の活性化にも取り組んでいるようです。

 


「私の生まれ育った土浦市周辺は、かつては栄えていた通りには歯抜けの店舗が目立ち、使われていない古いビルがそのままにされているなど空洞化が進んでいます。そこで、事業を通じて少しでも街を明るくしたいと考え、古い物件が立ち並んでいる一画の土地を買い取り、レストランなどのテナントを誘致することにも力を入れています。」

 

 これらの取り組みに関して、稲村社長は次のような経営理念について語ってくれました。

 

「われわれが手がけている開発事業や市街地の活性化に向けた取り組みは、利益をあげることを最大の目標としている大手企業は行いませんし、かといって、民間の利益とからむ微妙な問題がありますから、役所が取り組むにしてもなかなか難しいようです。ですから、当社は大手でも役所でもできない、地元社会に貢献できることを事業の一環として行っていきたいと考えているのです。そうした取り組みが地元の方々の信頼を生み、さらには当社の利益にもつながっていくのだと思っています。」

 

 

おわりに・・・

 

 

私たちの取材中、稲村社長は頻繁に「地元のために」、「地域のために」という言葉を使われていたことが非常に印象的でした。今回のお話の中で、単に利益を求めるだけでなく、同時にそれ以外の"何かしら社会のためになることをしたい"、といった思いが同社の原動力になっているような気がしました。
 また、建築業も不動産業も、そこに住む人々が幸せに生活していくためには、その描いている"夢"をどういった"かたち"で実現していったらよいかを考えていく点では共通しており、それを真剣に考えることが、事業として成功する鍵となっているように思いました。

 当協会としてもそのような取り組みを応援していきたいと考えております。同社の更なる成長をお祈り申し上げます。

平成20年1月にオープンしたつくば店(二の宮)の様子
平成20年1月にオープンしたつくば店(二の宮)の様子

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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