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株式会社国分建設

牛久市で創業36年、「笑顔をはぐくむ家づくり」がモットーの木造注文住宅専門店

 家は、家族の命と財産を守るシェルターであるとともに、家族の想いがたくさん詰まった、心安らぐ場所でもあります。
 木造注文住宅の設計・建設を主力に営む株式会社国分建設は、県南地区を中心に、北は水戸市、南は千葉県松戸市、西は坂東市周辺までお客様を有しています。
 平成23年8月22日に本社を訪問し、辻 英智(つじ ひでのり)代表取締役社長にお話を伺いました。





突然の社長指名



 昭和51年2月、創業者の国分秋惠氏が牛久市で不動産業を個人で始めました。昭和53年11月、事業拡大のため建設業に進出し、昭和62年10月、法人成りしました。
 3代目社長である辻氏は、平成10年、25歳で当社に入社しました。営業部に配属された辻氏は、持ち前の明るさと人懐っこさでぐんぐん成績を伸ばし、29歳で営業現場の統括責任者である営業部長に就任しました。
 営業部長に就任してまだ1年も経っていない平成16年のある日、辻氏は、幹部一同が揃った会議に呼び出されました。そのときのことを振り返って、辻社長は次のようにおっしゃっています。

 「会議室に入ると、幹部がずらりと勢揃いしていてとても緊張しました。そして、国分会長(創業者)から突然『社長をやってくれないか?』と言われました。その当時、売上は落ち込み、利益率も大幅に低下し、業績は悪化していました。社長を引き継ぐということは、借入金の保証人も引き受けるということなのでとても悩みました。会長からは『お前しかいない。』と強く説得され、悩みに悩んだ末、社長になる覚悟を決めました。」



どん底からのV字回復



 入社5年目、30歳で営業部長から代表取締役社長に大抜擢された辻氏は、それまで取締役ではなく経営には全く携わっていなかったため、当社の経営には大変な苦労をされました。

 「今となっては笑い話になりますが、その当時は必死でした。当時の売上は、ピークから5億円も減少し、完工棟数も年間40棟まで減り、さらに、そのうちの約8割が利益率の低い1千万円台の企画型住宅(注)という状況でした。」

(注)企画型住宅とは、プランや仕様が数種類に限定されている住宅のことで、建築費は安いが、設計や選択に制限がある。

 「そこで、利益率を向上させるため、企画型住宅をやめ、付加価値の高い注文住宅の受注に力を入れました。注文住宅の営業を強化するため、建築設計に精通した設計担当者を営業に配置換えしました。それから、取引先とも徹底的に話し合いをしました。(業績のV字回復に)成功した要因は、ひとつひとつ逃げないで、社員一丸となってお客様のために全力でやってきたからだと思います。」

 今期は、東日本大震災があったにもかかわらず、完工棟数は前年並みの110棟、4期連続増収を見込んでいます。

 「地震のあった3月の契約はわずか3棟だけでした。そこで、当面の資金繰りを安定させるために信用保証協会に運転資金の申込をしました。保証付で借入ができて、あのときは本当に助かりました。」と、辻社長はおっしゃっています。



「ひとりの笑顔がみんなの幸せ」



 平成21年3月にオープンした体験型屋内ショールーム「emi・park」(えみ・ぱ~く)には、「ひとりの笑顔が みんなの幸せ」という言葉が掲げられています。

 「社員は34名いますが、5~6割は30代で自分と年齢が近く、毎日ほぼ全員とコミュニケーションをとっています。また、いつも笑顔で楽しく仕事をするため、社員には常にあいさつをするように言っています。
 さらに当社では、お客様から笑顔をいただくために、社員ひとりひとりが自分たちには何ができるのか、お客様のご満足いただける提案はどんなことなのかをいつも考えています。そのようにして社員ひとりひとりの笑顔がお客様を幸せにし、家族みんなが笑顔になる家づくりを目指しています。
 ハウスメーカーは、通常一人の営業担当者でお客様の対応を行っていますが、当社では、設計や工事担当者もお客様と顔を合わせるようにしています。また、工事現場に来たお客様に職人さんが挨拶できるように現場にはお客様の写真を置いて、他社にはないサービスに努めています。」



親子3代が安心して健康に住める世界基準の低燃費住宅「クローバーの家」



 東日本大震災を経て、日本はエネルギーを大量消費する社会から節約する社会へと変わりつつあります。これからの日本の住宅は、小さくて高性能な、光熱費のかからない家がますます普及していくことでしょう。
 当社の新商品「クローバーの家」は 、「木・土・石・紙」といった自然素材を使用し、躯体性能と断熱性能が高く、調湿効果も優れた日本でもトップクラスの高性能住宅で、室内の温度差が小さく、住む人の健康に良い住宅です。

 「『クローバーの家』は100年住める長寿命の家で、自然のエネルギーを最大限活用することで光熱費がかからないエコな暮らしを実現します。環境先進国のヨーロッパでも高性能であると認められた住宅です。地域の皆様が元気になる家、世界に通用する『クローバーの家』を地域の皆様にお届けしたいと考えています。」



辻社長の夢



 辻社長は目を輝かせながら、

 「大手ハウスメーカーとの競争の中で、お客様には当社が単なる住宅建築会社ではなく、ハウスメーカーであると思われたい。また、当社の支店を出すのではなく、やる気のある従業員に暖簾分けをして、各々が社長として切磋琢磨しながら事業を拡大していきたい。既に4~5人の志願者がいます。暖簾分けしながら茨城県内に笑顔の輪を広めたい。」
と、ご自身の夢を語ってくださいました。



おわりに



 お客様の笑顔と幸せをとても大切にしている辻社長は、取材中ずっとニコニコしながら苦労話や夢を話されていました。入社5年目、30歳で社長を引き受けた辻社長の決断には、ただただ驚嘆するばかりです。
 地域密着のハウスメーカーとして、マイホームの夢の実現をお手伝いする株式会社国分建設のますますのご発展をご祈念申し上げます。






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