茨城県信用保証協会

元気企業

バックナンバー

袋田食品株式会社

奥久慈・大子町で、こんにゃく製造販売、飲食、日帰り温泉、公共の宿を営業



 茨城県の奥久慈(注)地域内にある大子町は、袋田の滝、温泉、鮎の観光やな、りんご狩りなどの観光資源に恵まれ、毎年多くの観光客が訪れています。


(注)福島県から茨城県を流れる久慈川(一級河川)の上流域を奥久慈と言い、茨城県内は、大子町、常陸太田市及び常陸大宮市が該当します。



 袋田食品株式会社は、大子町で「こんにゃく関所」(こんにゃく製造販売、飲食)、「袋田温泉 関所の湯」(日帰り天然温泉)、「リバーサイド奥久慈 福寿荘」(公共の宿)を営んでいます。



 平成23年10月19日に本社を訪問し、高村博美代表取締役社長にお話を伺いました。



家業からの独立、「こんにゃく関所」の開店



 高村社長は、実父が経営するこんにゃくメーカーに勤めていましたが、30代半ばで独立を決意し、昭和62年10月、袋田食品株式会社を設立しました。
 高村社長は、創業を決断した理由を次のようにおっしゃっています。



「スーパーの値下げ要求はとても厳しくて、スーパーに安い金額で値段を決められてしまうのがとても嫌でした。おいしいこんにゃくを自分で手作りして、自分が決めた値段でお客様に売りたいと思いました。」



 当社は、こんにゃくの直売を地元では他社に先駆けて始めました。手作りのおいしさが次第に口コミで広がり、観光客の飲食やお土産、贈答品として売上は増えていきました。
 平成19年7月には、事業拡大のため、隣地に工場兼店舗を新築・移転しました。





 材料の精粉(こんにゃく芋を乾燥・粉砕したパウダー状の粉)は、きめが細かい最高級品を使用しており、こんにゃくはえぐ味が無く、滑らかな美味しさが特長です。
 店内では出来立ての手作りこんにゃくを試食できる他、隣の食堂(営業時間11時~15時)では、こんにゃく、ゆば、奥久慈しゃもなどを使った郷土料理を堪能することができます。
 工場見学は無料で、こんにゃく手作り体験(有料、要予約)もできます。



「ゆば壱」の開業



 「若い人はこんにゃくを食べない……。」

 こんにゃくの国内需要は減少しており、当社の経営の先行きに危機感を抱いていた高村社長は、次の一手を考えました。
 平成6年、高村社長はゆば製造工場兼直売店舗「ゆば壱」を開業し、平成7年3月、有限会社奥久慈ゆば本舗を設立しました。
 植物性たんぱく質が豊富で「畑の肉」と言われるゆば。世間では、美容に良い健康食品として大変注目を浴びていますが、当社で使用する材料の大豆は、すべて厳選した国産品です。ベテランの職人が1枚1枚手作りするゆばは、甘くて豆乳の味が濃く、風味豊かな味わいです。おからは、無料で持ち帰りできます。





日帰り天然温泉「袋田温泉 関所の湯」の開業



 平成9年5月、こんにゃく関所から少し山の中に入った土地で、高村社長は温泉を掘り当て、平成10年9月、「袋田温泉 関所の湯」がオープンしました。

「当時は温泉ブームで、自分も温泉好きで、温泉にいらっしゃったお客様に出来立てのおいしいこんにゃくとゆばをぜひ召し上がっていただきたいと思いました。金融機関と保証協会にご支援いただいたおかげで、関所の湯をオープンすることができました。今でも本当に感謝しています。」


と、高村社長はおっしゃいました。



 袋田の山間にひっそりたたずむ源泉100%の関所の湯は、茨城県外からいらっしゃるお客様が多く、リピーターも多いそうです。
 泉質はナトリウム‐硫酸塩・塩化物冷鉱泉で、「大塩」という地名のとおり、舐めると少ししょっぱくてヌルヌルする美肌の湯です。地震の後、突然お湯が白濁し、にごり湯目当てに来るお客様が増えたそうです。



公共の宿「リバーサイド奥久慈 福寿荘」の開業



 平成17年4月、当社は大子町から福寿荘の管理運営を受託し、旅館業に進出しました。
 福寿荘では、奥久慈しゃも・鮎・ゆば・こんにゃく・山菜などを使った郷土料理を堪能し、大子温泉の源泉から引いている温泉を満喫することができます。





「奥久慈屋吉餅」の開業



 平成21年7月、株式会社奥久慈屋吉餅(おくくじや きちべい)を設立し、だんご・大福の製造販売に進出しました。
 原料には、大子産コシヒカリと常陸大黒(注)を使用し、地元特産品を活かした菓子作りに励んでいます。


(注)常陸大黒は、平成14年に茨城県が品種登録したベニバナインゲン(花豆)のオリジナル品種で、重さが約2gと大粒で、光沢のある美しい黒色が特徴です。生産は茨城県北部の山間地域に限定され、県外への流出も制限されています。





人材育成と会社経営について



 こんにゃくの製造販売を起業し、その後、ゆば・豆腐の製造販売、日帰り温泉、旅館と、事業の多角化に成功されてきた高村社長に、人材育成や会社経営に対する考えについてお尋ねしました。

『モノづくりは人づくり』と言いますが、従業員に何かを指示するのではなく、私が仕事をしている姿を見て従業員自ら考え自発的に行動する、まさに『子は親の姿を見て育つ』というのが私の人材育成方法です。私は毎朝5時には出社していますが、従業員は本当に一生懸命働いてくれています。
 これまで温泉などに多額の投資をしましたが、今は無理をしないで、会社の体力と投資のバランスをしっかりと考えて、安定した経営を心掛けています。」

と、高村社長はおっしゃっています。



おわりに



 11月の奥久慈は、袋田の滝・生瀬の滝・月待の滝・永源寺(通称:もみじ寺)の紅葉が盛りとなり、観光りんご園の「ふじ」、「王林」、市場には出回らない幻のりんご「こうとく」が食べ頃となります。この時期しか食べられない「常陸秋そば」の新そばは、ほんのりと薄い緑色をしていて、香り高く濃厚な味わいです。
 温泉、紅葉狩り、りんご狩り、常陸秋そば、こんにゃく、ゆば、奥久慈しゃもなど、奥久慈で秋の魅力を満喫してみてはいかがでしょうか。
 地域資源を活かし、温泉と食とおもてなしの心で奥久慈・大子町の魅力を全国に情報発信する袋田食品グループのますますのご発展をご祈念申し上げます。




▲Top