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常磐システムエンジニアリング株式会社

創業31年、ソフトウェア開発を通じ、企業の経営効率化に貢献



 

 常磐システムエンジニアリング株式会社は、土浦市と東京都台東区に事務所を有し、主に金融機関の資産運用システムや製造業の生産管理システムを開発しています。
 平成24年4月10日、土浦市の本社を訪問し、岸根満社長にお話を伺いました。

ゼロからのスタート


 

 

 

 岸根社長は、会社員時代、金融機関向けシステム開発・運用などを担当した経験を活かし、昭和56年2月に当社を設立しました。
 現在は日本有数の大企業を多く顧客に抱えている当社ですが、当時は営業で大変苦労されたそうです。
  そこで岸根社長は、大手システム会社が受注を渋る仕事を積極的に受注するようにしました。
  具体的には、1つの会社内で使用する、メーカーの異なる複数のシステムをつなぐ作業です。当時は時間と手間がかかり、両方のシステムがダウンする事態も考えられ、リスクの高い仕事でした。それを問題なく行い実績を作れば、会社の信用が高まり、技術力の証にもなる。そんな読みが当たり、評判は大企業の間で広まり、大手企業に取引先を広げることができたそうです。

 また取引先や社員同士の連携など、人と人のつながりが重要だったともおっしゃっています。

ユニークな人材開発


 

 

  会社を経営する上で、岸根社長は人と人のつながりや人材教育を何よりも大切にされています。そこには、技術者が技術力を持っているのは当然であり、さらに技術者には品格が備わっていなければ取引先からの信頼は得られず、会社の継続は難しいとの岸根社長のお考えがあります。
 岸根社長の人に重きを置いた経営は社員採用から社員研修まで一貫しています。求人ではシステムの知識経験を問わず、人柄を重視してあらゆる学部学科から採用しているそうです。多種多様な人材がいた方が会社としての活気が出ると岸根社長はおっしゃいます。そしてユニークなのが、岸根社長自らが塾長を務められる『常磐塾』です。
 『常磐塾』では、戦国武将が作った有名な家訓や儒教の教えを引用し、人間としての品格向上を目指した講義が行われるそうです。品格が備われば他者から信頼が得られ、それが人脈の拡大を可能とし、ひいては受注拡大や企業継続につなげることができるとの理念が語られ、社員の方々の間で共有されています。

今後の夢について


 

 

  岸根社長は今後の夢について、農業のIT(情報技術)化を挙げられました。これまで経験や勘に頼ってきた農業分野は、TPP(注)や放射能の問題、就農者の高齢化や食料自給率の低下など、多くの問題に直面しています。岸根社長はITを通じ農産物の品質向上や競争力強化、生産時の省力化を実現、現在の農業が抱える多くの問題解決に取り組んでいくと熱く語って下さいました。すでに、広大な農地が確保できる海外に関連会社を設立し、大規模な生産実験まで行っているそうです。最終的には、システムを日本国内で広げたいとの大きな目標を掲げていらっしゃいます。

(注)TPP(環太平洋経済連携協定)は、協定参加国間の貿易時の関税を原則的に撤廃する枠組みです。現在ニュージーランドなど4カ国で調印発効しています。日本も現在参加に向けた協議に入っております。


おわりに


 

 

 システムやITというと、これまでは目に見えず機械的な印象を持っていましたが、岸根社長にお会いして、今までのイメージが一変しました。システムを作るのも使うのも人であり、どんなに時代が進んでシステムが進歩しても、人同士のつながりや各人の人格が一番重要であることに変わりないとの岸根社長のお考えに触れたことが大きいと思います。

 システム開発を通じ地域社会に貢献する常磐システムエンジニアリング株式会社の益々のご発展をご祈念申し上げます。




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