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株式会社成島

節句人形の企画販売により、伝統工芸の継承に貢献する。

 株式会社成島は土浦市内に本社と店舗・配送センターを構え、節句人形(雛人形・五月人形・羽子板・破魔矢・鯉のぼり)の店頭・インターネット販売を行っています。
 平成25年11月8日、土浦市真鍋の店舗・配送センターを訪問し、成嶋祐介代表取締役に話を伺いました。



 

当社のあゆみ


 


 大正14年、成嶋社長の御曾祖父様が土浦市内で日本人形・鞄・乳母車の販売業を個人で創業し、昭和28年に法人化しました。
 成嶋社長は、4代目経営者として平成21年に代表取締役に就任しました。
 成嶋社長は、喫緊の課題である事業再建を図るため、鞄、乳母車、雑貨などの不採算商品の販売から撤退し、節句人形専門店として再スタートを切ります。まずはじめに、土浦市真鍋に店舗・配送センターを新築し、店頭とインターネットの両方に対応可能な販売体制を整えました。
 

 

 

豊富な品揃えと優れた商品企画力



 

 当社が出店するインターネットショッピングサイト(楽天市場、ヤフー、アマゾンなど)は、取扱品目16,000点という圧倒的な品揃えと高品質、手頃な価格設定が評判で、インターネットによる節句人形販売では、全国でもトップクラスの規模を誇ります。
 成嶋社長は、

 

「16,000点の商品を揃えるために、私が全国各地の人形の工房や世界の材料メーカーに足を運び、職人と信頼関係を築いてきました。職人には敬意を払い、小売店の立場から製品作りに対する様々な要望や提案を行っています。人形の表情や人形が羽織る着物の柄まで、細かい打ち合わせを行い、納得できる商品だけを仕入れています。」

 

とおっしゃいます。

 当社では、大手人形メーカーの㈱久月や㈱吉徳との共同企画商品や、大手玩具会社㈱タカラトミーの人気キャラクターを使用した雛人形など、積極的に商品企画を行っており、どの商品も遊び心がいっぱいです。
 オリジナル商品を持つことで、同業他社との差別化や売上アップを可能としているのです。

 

 

 

 

インターネット販売の要 


 

 

 当社のショッピングサイトには、1日18万件ものアクセスがあり、海外から注文を受けることも少なくありません。
 成嶋社長は、

 

「大量の注文を迅速かつ正確に対応するためには、物流、商品管理、顧客の意見の迅速な反映、作り手の尊重が欠かせません。」

 

とおっしゃいます。
 そこで当社では、平成21年に店舗・配送センターを新築し、自社で対応できない配送業務は物流専門会社に外注するとともに、バーコードを活用した厳密な在庫管理、繊細な人形を守るための厳重な梱包、全社員がクレームを共有できる顧客情報システムなど、戦略的に社内体制を整えてきました。
 当社では、顧客が注文してから商品到着までに通常4~5日かかっている現状の国内商品配送体制を、午前11時までの注文は当日配達できるように、更なる社内体制の向上を進めています。

 

 

 

今後の夢 



 

 成嶋社長は今後の目標について、

 

「節句人形を海外の方に販売し、新たな市場を開拓して職人の技術承継や業界の活性化に貢献するのが目標です。最終的には、自社を世界中の誰もが知っている企業にしていきたい。」

 

とおっしゃいます。
 当社では現在、海外向け販売を強化するため、海外の人が母国語でホームページを閲覧でき、販売価格を関税や輸送費込みで分かりやすく表示し、現地通貨で決済できるように準備を進めています。

 

 

 

おわりに 


 

 

 成嶋社長に話を伺って感じたことは、伝統工芸品や人形業界へのとても深い愛情です。
 人形メーカーや職人一人ひとりと向き合い、敬意を払いつつ、小売店の持つ情報を提供し、商品作りに活かしていく情熱とひたむきな経営姿勢がとても印象的でした。
 当社の社員の平均年齢は20代後半と若く、活気に溢れています。日本の伝統工芸品製造・販売業界が抱える高齢化や後継者不足、市場縮小などの諸問題の解決に、若い感性で一丸となって立ち向かっています。
 今後のますますのご発展をお祈り申し上げます。

 

 

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