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株式会社ジュン・ホーム

住めば住むほど住みやすくなる家造りを目指して

小沼淳志社長

 株式会社ジュン・ホーム
   http://www.junhome.co.jp/
  代表取締役社長 小沼 淳志
 

 事業内容 /木造建築工事業
          不動産業
 本   社 /茨城県日立市多賀町2-4-6   
 展 示 場  /茨城県日立市鮎川町6-3-1
 創業(設立)/昭和59年10月
       

 

 木にこだわった家造りとアフターケアで顧客を確保

 

 

「インターデコハウス」外観本物無垢材の「夢ハウス」内装 マイホームは一生の大きな買い物ですが、購入する場合に一番重視する項目は何でしょうか?美観や間取りでしょうか、あるいは耐用年数でしょうか、それとも価格でしょうか?価値観が多様化している昨今、顧客のニーズは様々です。
 この中で、木造建築にこだわり、永く快適に住める家を提供し成長を続けているのが、日立市に本拠地を置く株式会社ジュン・ホームです。同社は、本物無垢材の在来工法「夢ハウス」と、デザインを重視した高気密高断熱輸入住宅「インターデコハウス」の大きく2種類の住宅を提供し、設計、施工、アフターケアまで全て自社で行い、地元県北地区から水戸市、ひたちなか市等の県央地区まで延べ約600世帯の顧客を確保、18年度の年商は11億円まで達しています。
 「かたくなまでに〝木〟の素材・使用方法にこだわり、住めば住むほどその良さがわかる住宅を提供し、充分なアフターケアを心掛けたことが、お客様への信頼に繋がっていると思います。今後も、OB客の方を始め地元の皆様へリフォーム、増改築、バリアフリー工事も含め、様々な住宅ニーズに応えられるよう、飽くなき研究と研鑽を積んで行きたいと思います。」と小沼淳志社長は言います。

 

 

 

 

 厳しい状況が続いた創業時期を乗り越えて

 

 

天然素材を使った床 元々福島県出身であった小沼社長でしたが、茨城県内の大学に通っていたことが縁で日立市の地元工務店に勤務することになります。しかし、勤務先は官公庁主体の鉄骨、鉄筋工事や土木工事の受注がメインであったため、自らが目指す木造住宅建築を始めるために昭和59年に独立することに…。
 現在は受注が順調に確保できている同社ですが、創業当初は顧客からも認知されず厳しい時期が続いたそうです。
 「事業を始めたころは、受注がほとんどなく厳しい状況が続きました。2年経っても資金繰りが改善されず、廃業も覚悟したほどでした。でもその時、妻が〝もう少し頑張ろう〟と励ましてくれたおかげで踏ん張ることができました。石の上にも3年と言いますが、4年目に入ってやっと受注が増え始め、経営を軌道に乗せることができたんです。」と語る小沼社長。まさに夫婦二人三脚で大きな波を乗り越えた瞬間でした。そこから同社は〝木〟にこだわった家造りに本格的に着手していくことになります。

 

 

 

 家造りには木の素材の適材適所が重要

 

乾燥剤(左)と一般材の違いは目にも明らか「夢ハウス」外観 「弊社では材料は〝乾燥材〟を使用しています。なぜなら乾燥させる前の木を使用して家を建てた場合、2,3年後には木が縮み隙間だらけの家になってしまうからです。」と小沼社長。一般的な材料の含水率が25%であるのに対して、同社は15%以下に設定し、水分を極力抑えた木材を使用しているのです。
 さらに社長はこう言います。「鉄筋や鉄骨の建物は50~100年程度しか持たないでしょう。しかし木造建築は〝法隆寺〟のように良い素材の特性を活かし、きちんとした工法を行えば、千年だって持つことは可能なのです。木は水分、温度、養分のいずれか一つを調整すれば永年に亘り決して腐ることはないのです。弊社では、水分を調整した乾燥材を使うことにより、結露を防ぎ100年持つ住宅を目指しています。」

 また、同社では一番大事な建物の土台部分(基礎部分の上)について、シロアリが付きにくいヒバ等の年輪の細かい良質の材料を使い、床の材料には、桐等の空気の多い天然素材を使い断熱効果を高くする等、用途に応じ使用する木の素材を変えています。「木を適材適所に使う木使い(気遣い)が非常に大事で、それこそが弊社の特長であると自負しています。」と小沼社長。

 このように木を知り尽くした建築技術で、住み心地の良い家の提供を実現している同社ですが、顧客の様々なニーズに対応することも忘れません。

 

 

 冒頭に申し上げたとおり、本物無垢材にこだわった「夢ハウス」とデザイン重視でリーズナブル価格で提供できる輸入住宅「インターデコハウス」の2種類の住宅に分け、その中で同社から顧客に提案する基本プランも、外観デザイン、外壁、屋根等の組み合わせを全て考慮すると100万通り以上と実に豊富です。さらには「呼吸する家」と称した通気断熱ダブルブレス工法で、自然の力を利用しながら夏も冬もしのぎやすい家も提案しています。 また、24名の社員で600世帯にもなるOB顧客へ毎年必ず訪問し、さらに同社の社内報を毎月届ける等、アフターフォローも非常に大切にしています。
 「お客様に良い家を提案することはもちろん、常にお客様の声に耳を傾ける姿勢が信頼に繋がっていると思います。この〝信頼〟こそが今後も成長していくために一番大事なことと肝に銘じております。」

 

 心の教育こそが人材育成の鍵

 

 顧客から信頼を得るためには、一人一人の社員の資質・やる気が大事と語る小沼社長。では、いかにして社員のやる気を引き出し、人材育成を行っているかとの問いに小沼社長はこう答えます。「3年ほど前から経営コンサルタントからの指導を受けておりますが、人材育成においては、心の教育を基本においております。つまり、どんなに優れたやり方・手法を取り入れたとしても、社員がその気になって自主的に動くようにならなければ、何も上手くはいかないということです。
 特に、我々の仕事は、お客さんが一生に一度しか買わないような高価な商品を取り扱うため、仕事に対する考え方、人生観から教育しなければならないのです。そして、決めたことをやり抜く社風を作るため、小集団単位の連帯責任を取り入れ、社員同士がお互いを管理し、本音の人間関係づくりに努めております。」
 また、同社では、社員のやる気を引き出すために、労働分配率経営を推進しています。つまり、社員は、原価をいくら削減すれば利益が残り、それによって、どの程度の昇給が可能になるかを理解して仕事をしているわけです。なお、これまでは、工事が終了しないと正確な業績把握ができませんでしたが、独自の管理会計を導入し、年度の途中であっても年度末の業績を把握、つまり目指すべきゴールまでどの程度なのかをよりいっそう把握できるようになりました。「弊社のこのようなシステムは、言い換えると、社員が自らの給与を決めることが可能になるものなのです。」と小沼社長。
 このように工夫した人材育成が、同社の信頼を支え、そして成長の礎となっていることは間違いありません。

 

 中期計画(3ヵ年)の目標売上額は20億円とさらなる成長に向けて突き進む同社は、今年3月には当協会の保証付私募債をご利用になりました。この私募債は新たな飛躍のためのステップとなる資金であり、また、この適債要件をクリアしたことは優良企業の証でもあります。
 今後の抱負は?との問いに「地域№1の企業になり、社員やOB客のご子息が我が社に入社したいと思える会社になること。」と語る小沼社長。同社のますますのご活躍をご期待申し上げます。

 

 

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