茨城県信用保証協会

元気企業

2016年11月

株式会社水庭農園

代表取締役社長 水庭 博
創業 昭和8年
事業所 日立市本宮町5-8-6(本社・事務所)
ひたちなか市馬渡487-5(営業所)
事業内容 造園業(維持管理を含む)、土木工事業
電話番号 0294-24-3228

 株式会社水庭農園は、官公庁、民間企業の庭園・公園・緑地・広場の造園、運動場・道路などの造園工事を主として、※緑化樹木や花壇等の維持管理を行っています。
 平成28年9月12日、日立市の本社を訪問し、水庭博代表取締役社長にお話を伺いました。
 
 ※緑化樹木・・・公園緑地、道路、その他の公共施設等の公共緑化に用いられる樹木

当社のあゆみ

 当社のあゆみは、戦前に水庭社長の曽祖父が林業用苗木の生産・販売を個人で創業したことから始まります。病虫害に強い品質の高さが全国で評判となったことで、売上を伸ばし、その後、水庭社長の祖父である初代社長によって、昭和8年に緑化樹木の生産・販売が開始されました。昭和11年には造園業に進出し、日立製作所関連工場の緑化工事などを行ってまいりました。

日立市本宮町にある本社・事務所

 昭和46年に法人化。水庭社長は学校卒業後西武鉄道グループの緑化部門に勤めていましたが、昭和62年に当社に入社し、平成10年に代表取締役社長に就任しました。
 現在、造園業40%、土木工事業20%、維持管理業40%の割合で事業展開しており、日立市を基盤として、県南・県西エリア、千葉方面まで営業エリアを拡大しています。

「造る」から「リニューアル」「育成管理」へ

 「私が入社した当時は、官公庁が発注する大規模な新規の造園工事、民間のゴルフ場建設などが活況でしたが、バブル崩壊後は新設工事の受注は大幅に減り、既存施設のリニュ ーアル工事などの小規模な工事が中心になっています。それに伴い、造園工事と並び緑化樹木や既存施設の維持管理の比重が高くなっています。」
水庭社長は入社からこれまでを振り返ります。
 リニューアル工事や維持管理の増加と新設工事の減少は思わぬ事態を生んでいます。大規模な造園工事を経験したことがない若い社員の増加です。そこで、次世代まで造園工事の技術を絶やさないようにするため、水庭社長は社員に対し、造園施工管理技士・技能士等の資格取得を奨励しています。
「大規模な造園・土木工事の受注がいつ来ても対応できるように、準備しておく必要があります。その際に有資格者がいないと、一般競争入札に応募すらできないのです。近い将来、国体やオリンピックが開催されますが、それでは満足なおもてなしもできません。地域や国の発展のためにも、人材と経験は絶やさないように心がけています。」
そう力を込める水庭社長は、時代や経済状況の変化に左右されやすい造園業界において、地域や国の将来を見据えた人材育成を行っています。
 このような取り組みは発注者からの厚い信頼を集め、当社の持つ確かなデザイン企画力や高い施工能力などの総合力で、受注につながるケースがあるそうです。

平成11年春より利用開始となった茨城県庁舎の造園工事を担当。多くの県民の憩いの場となっている。

『約束を守るという基本的なことが信用の礎』という企業理念

 水庭社長は、経営者としての責任を果たすことを重視しています。
「今まで会社の舵取りを行ってきて、公共工事の減少や長引く不況で売上がピークの半分になった厳しい時もありましたが、それを克服することが自分の使命と考えて、足りぬ点があれば、まだ改善の余地があると前向きに考えるようにしています。冷静に現実を見て、それに適切に対応していくことが経営者の責務です。」
と水庭社長はおっしゃいます。
 水庭社長は先代や先々代の社長に、目先の損得にとらわれず、信用第一、誠実な経営を第一とするように教えられてきたそうです。それは水庭社長にも脈々と受け継がれ、当社の経営の礎となっています。
 毎日の朝礼や会議を通じて、『約束を守ることが基本である』ということを社内に浸透させています。また、クレームこそが、会社成長の糧となると考え、クレーム対応には特に細心の注意を払い、報告を徹底させて現場第一主義で改善につながるべく適切に対処しているそうです。企業経営を通じて、ご自身や社員の“人間力”を養い、地域に根ざし信用を築き続けてきたことが83年の永続経営につながっています。


造園業界と地域の発展のために

訪れた人が木陰で休めるよう設計されている
ベンチとテーブル(茨城県自然博物館)

 水庭社長は、造園工事業界全体の底上げに力を注いでいます。
「長年事業を行ってきた中で、自社のことを考えるだけでなく、同業者とともに業界全体の地位向上を図らないと、現在のような業績は保てないと考えております。」
そうおっしゃる水庭社長は、日本造園建設業協会茨城県支部長や茨城県庭園樹協会会長、茨城県造園建設業協会副会長などを務められ、造園業界の発展に大きく貢献されています。
 「地域の公園緑地・道路等の緑は安全に暮らすためには非常に大切です。木や花を植えることは、それ自体で潤いをもたらし、環境を改善したりすることにつながります。しかし、街路樹や公園は造って終わりではなく、施設の草木をきちんと育成管理しないと、思わぬ災害や事故を招いてしまいます。地方を元気にするためにも、街路樹や公園施設の維持管理を怠らず、防災的観点からも安全できれいな公共空間づくりをしていきたいと思います。」
そうおっしゃる水庭社長の姿には、長年事業を通じて地域の環境緑化活動に取り組んでこられた誇りにあふれていました。
  • 自然を探索できるよう整えられた道
    (茨城県自然博物館)

  • 当社が設計・施工まで行った山型の遊具
    (国営ひたち海浜公園)

おわりに

開発が進むつくば市研究学園にある公園
(葛城地区7号街区公園)

 当社の社名の一部である「農園」という文字は、林業用苗木の生産・販売から事業が始まったことに由来します。現在は「造園」を営んでいる当社ですが、祖父から83年続く伝統を大切にしていきたいという水庭社長の想いが込められています。
 水庭社長は、当社の経営者になってから現在まで「大変なこともありますが、それを解決するのが経営者の使命であり、足りぬ事があればまだ改善の余地があると前向きに取り組むようにしています。」
とおっしゃいます。冷静に現実を見つめ、企業の「経営者」として責任を果たすとともに、「地域」や「業界」のリーダーとして、人々の生活空間・憩いの場の創造を目指す姿が印象的でした。
 今後のますますの発展をお祈り申し上げます。
  

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