茨城県信用保証協会

元気企業

2017年01月

株式会社麻生ハム

代表取締役 横山 正英
創業 平成3年
事業所 行方市青沼 637(本社・工場)
事業内容 食肉加工業
電話番号 0299-73-2499

 株式会社麻生ハムは、ハム・ソーセージ・ベーコン等の食肉加工品やお惣菜の製造・販売を行っています。
 平成28年10月21日、行方市の本社を訪問し、横山正英代表取締役にお話を伺いました。

当社のあゆみ

行方市青沼にある本社・工場

 当社のある行方市(旧麻生町)は、霞ヶ浦と北浦に囲まれた農業が盛んな土地です。かつてこの地方では、肥料を作るために多くの家庭で豚を飼育しており、豚は生活サイクルの一部としてとても身近な存在でありました。
 そのような行方の地において、横山社長のお父様は養豚業を営んでいました。横山社長もお父様の背中を追うように、学校卒業後に家業である養豚業の道へ。しかし、お父様の体調が悪化したことから、横山社長は1人で事業を行うようになりました。1人で多くの豚の飼育を行うことは限界があり、さらに、バブル景気崩壊の影響によって豚肉の相場が下落したことから、横山社長はより付加価値を高められる食肉加工業を開始しました。
 2年ほど養豚業と食肉加工業を兼業したのち、養豚業をやめ、平成3年に「麻生ハム工房」として食肉加工業に専念しました。
 平成25年には「株式会社麻生ハム」として法人化し、現在に至ります。

当社の企業理念
「安全・安心な製品でお客様の満足と健康・幸せのために」

スモークチキンの製造風景


スモークに使用されるチップ

 「安全・安心な製品でお客様の満足と健康・幸せのために」横山社長はこの企業理念を実現するために、日々の研究を怠りません。
 食肉加工業を始めた当初、ハムやソーセージの製造方法について全く知識が無かった横山社長は、独学で研究を重ねたり、取引先に頼み込んで修業を行ったりしたそうです。
 ハムやソーセージの製造方法を学んでいく中で、多くの食品添加物が製造過程で用いられていることに問題意識をもつようになりました。
 そこで、平成19年、県内の高校生たちが開発した自然由来の物質で発色・殺菌するという技術を活用し、食品添加物を一切使用しないハムを製造しました。
「食品添加物は、我々が毎日食べる多くの食品に含まれています。食べてすぐに人体に悪影響を及ぼす恐れはありませんが、どんなものでも食べ過ぎることは良くありません。製造方法に工夫を凝らすことで、それらの使用量を抑えられることがハム・ソーセージ作りの奥深いところです。」
 横山社長の企業理念に基づいた研究開発によって、当社の商品は「安全・安心」な商品を求める多くの消費者に選ばれています。

地域との連携による相乗効果


ふぐのような食感の『湖(かわ)ふぐ』

 当社は「安全・安心」な商品を作るだけでなく、地域との連携によって新商品の開発を進めています。
 かつて、行方市商工会の方から「外来魚である“なまず”の駆除のため、“なまず”を使った新たな商品を開発できないか」と依頼された時のことです。
 “なまず”は水の底に住んでいるため泥のにおいが消えないことが課題でした。半年間の試行錯誤の後、いぶす時間や水分量に最大限の注意を払うことで泥臭さを軽減し、『なまずの燻製』を製造することに成功しました。生ハムの製造からヒントを得たことによって、ふぐのような食感に仕上げることができました。『湖(かわ)ふぐ』と命名されたその商品は、茨城県商工会連合会の「いばらきブランド認証商品」にも認定されました。
 外来魚である“なまず”を特産品として活用する方法は、大きな反響を呼びました。自治体や商工団体から支援を受けて参加したイベントでは、豚肉を使用した他の商品にも波及効果をもたらしました。その後、テレビや新聞等各種メディアから相次いで取り上げられることによって、当社の名は自然と知れ渡っていきました。
 茨城は海も山もあり、気候にも恵まれているため、多くの農水産物が全国屈指の生産量を誇ります。どれも地域のブランド品としてPRできる素晴らしいものばかりですが、食品メーカーはブランド化のためのPRに頭を悩ませています。
 当社では自治体や商工団体の方々と共に考えることで、地域の特色を最大限に活かした長く愛される商品を開発し、商品のブランド化を進めています。

  • 行方産の野菜を使った
    『行方さんお野菜ウィンナー』

  • 霞ヶ浦と北浦を連想させる
    ギフト商品『弐湖(にこ)物語』

ハラール食品への挑戦

 また、当社は、新たな分野として「ハラール食品」に挑戦しています。その背景には、イスラム圏からの留学生や労働者の増加によって、彼らの食生活に対応した食事の提供が、日本の大学の学食や、企業の社員食堂で求められていることがあります。
 ハラール食品とは、「イスラム教の教義に則り、必要な作法どおりに調製された食品」です。ムスリムの人々は野菜・果物・魚・卵・牛肉・鶏といった食品は食べることができますが、豚肉・酒などは口にすることはできません。また、調理方法にもおいても厳格な決まりがあります。
「ハラール食品の認定を受けることは、非常に大変です。ハラール食品とそうでないもので調理器具を分けているか、豚肉の成分やアルコールを使用した調味料を使用していないかといった調理方法の厳しい審査があります。」
 調理に手間がかかることや、ハラール食品の提供に適した厨房施設が整っていないことなどから、現在の日本の学食や社員食堂は、ハラール食品を提供する専門知識やノウハウがほとんどありません。そのため、留学生や外国人労働者に提供できる食事が限られてしまい、メニューを自由に選べないムスリムの人々にとって大きな心理的負担となっています。
 今後開催される東京オリンピックでは、多くのムスリムの人々が訪れ、ハラール食品はさらなる需要が見込まれます。当社は現在からその需要に対応できる生産体制を作っておくことで、存在意義を高めていきたいと横山社長はおっしゃいます。

おわりに

行方市の名産品となっている当社商品

 インタビューを終えて感じたことは、「地域との連携による商品づくり」でした。
 当社は、地元のブランド豚を使用したり、食品添加物の使用を抑える製造方法にこだわることで、他社との差別化を図り、多くの消費者の目に留まる商品づくりをしています。これらの商品の差別化ができる背景には、地域との連携があります。
 「安全・安心」な商品開発のノウハウをもつ当社と、自分たちで育てた豚を使ってもらいたい地元の養豚業者や、地域の名産品の販路拡大のためにサポートする自治体や商工団体が「地域活性化」のために互いに協力し合うことによって、地域の名産品が作られていることが印象的でした。
 今後も「お客様の満足と健康・幸せのために」という企業理念のもと、新たな分野で挑戦を続けていかれることと思います。
 今後のますますの発展をお祈り申し上げます。
  

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