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株式会社ヒロフーズ
魅力ある商品を“あんしん”とともにお届けする
株式会社ヒロフーズ 代表取締役 木村 浩一 事 業 内 容 惣菜等冷凍食品製造業 |
味と品質へのこだわりが成長の原点
常磐自動車道土浦北I.C.から程近い緑に囲まれた「東筑波新治工業団地」。ここに味と品質管理への徹底的なこだわりによって魅力あるお惣菜を生み出している株式会社ヒロフーズがあります。
同社はコロッケを中心とした揚げ物を得意とし、実に60品目にもおよぶ多種多様な冷凍・チルド食品を大手居酒屋チェーンなどに供給しています。味はもちろんのこと品揃えの豊富さと迅速な商品供給により取引先企業からの絶大な信頼を勝ち得ている同社ですが、業歴は10年あまりと比較的若い企業ともいえます。ではその成長の理由はどこにあるのでしょうか。
創業前、同社の木村浩一社長は、やはりコロッケを製造する工場に通算約15年間勤務されていたそうです。食品の製造及び品質管理部門の責任者として従事された経験から「より良い商品をお客様に提供するにはどうしたらよいか」を考え抜いた末に出た答えが自らの独立開業であったようです。
しかし、創業当時は、有力な協力者も販売先も全く無い状態で事業を開始したため、開業から5,6年の間は売上も思うように伸びず、売掛金の焦付きなども経験し大変な苦労をされたそうです。木村社長は「当時は営業から製造・商品の配送までの何でも自分でこなしました。サラリーマンの方が良かったなんて思ったりもしましたね。」と懐かしそうに話してくれました。商品の品質にこだわり続け、事業開始から数年経過したころから、“新治に美味しいコロッケを作る企業がある”、との噂が広まり、徐々に業界内で認知され取引先も増えていき、事業も軌道に乗りはじめたそうです。「大量生産が可能な大規模なコロッケ工場なら他に何社もあります。当社のような小規模な企業がここまで成長できたのは、味と品質にこだわり技術力を磨いてきたからではないでしょうか。」と木村社長は話します。
より高度な品質管理体制を構築すべく新工場建設、HACCP導入へ
品質へのこだわりが成長の原点と語る木村社長。消費者の"食の安全・安心"への関心が高まるなか、より高度な品質管理体制を構築する必要性を感じ、新工場の建設へと踏み出しました。
「東筑波新治工業団地」内の新工場は平成19年5月に稼動を開始しました。本格的な稼動はこれからということですが、生産能力は従来の工場の3倍以上にまで飛躍的にアップすることが見込まれています。また、衛生管理面においては、平成20年のHACCP(※末尾注参照)の取得を目指し、品質管理部門の従業員を中心に研修プログラムに取り組んでいます。今回、効率的で厳格な生産管理設備を導入した同社ですが、木村社長は次のように話します。「製造工程の大部分は機械化で代用できますが、品質の管理はどうしても機械化できません。より高度な品質管理体制をつくるためには、その設備を運営する優秀な人材が必要不可欠なんです。」 やはり優れた“人財”があってはじめて良い商品が生み出されるということではないでしょうか。
新工場ではより多種にわたる商品の生産が可能となりました。特に居酒屋チェーン向けの“お通し”の開発に力を入れており、木村社長の言葉を借りれば「お代わりしたくなるほど美味しいお通し」を目標として商品開発に取り組んでいるそうです。そして、今回新商品開発の目玉として新たに導入したのが“三重包餡機”です。これは冒頭のカニクリームコロッケを製造した“二重包餡機”が進化したもので、現在「ひとつで3種類の味が楽しめるコロッケ」を開発中とのことです。今後、同社のコロッケからは何が出てくるか、楽しみにしたいと思います。
今後の飛躍的な成長に期待
常に品質管理を最優先課題としつつ、魅力ある商品の開発に日夜努力し続けている同社ですが、木村社長に経営者としてのモットーについて尋ねてみました。「モットーと言えるかどうか分かりませんが…まっすぐ誠実に自分が信じたことを継続してきたことが取引先との信頼関係をつくり、今に繋がっているのだと思います。信用を築くのには大変な時間がかかりますが、失うのは一瞬ですから…」と少し照れくさそうに話してくれましたが、経験と実績に裏打ちされたその言葉には大変な重みを感じました。
同社は現在、全社員一丸となって新工場の本格稼動に向かって突き進んでおり、短期的な売上目標を従来の2倍増に据えています。今後、ますますの発展をご期待申し上げ、当協会としても陰ながら応援させて頂きたいと思います。