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『尾道らーめん 醤々軒』
飲食店は味・雰囲気・接客の総合力!
ラーメン人気投票サイトにて1年間県内首位をキープ!
つくば市中内に店舗をおく『尾道らーめん 醤々軒』は平成16年12月オープン。業歴は浅いものの、同店は、すっきりとした魚介系醤油スープと細めんが好評で、携帯電話の全国のラーメン店情報サイトである『超らーめんナビ』において、1年以上茨城県内で人気投票数首位をキープするほどの人気店となりました。
意外な創業の動機
柴田さんが飲食店業界に興味を持ち始めたのは、学生時代にアルバイトを経験したことがきっかけでした。「食を通して人とかかわっていくこの仕事が好きだ」と話す柴田さんですが、実は最初からご自分で飲食店・ラーメン店を経営することを志していたわけではありませんでした。柴田さんにラーメン店創業の動機について尋ねると意外な答えが返ってきました。 「実は当初は、“経営コンサルタント”になり、様々なお店のアドバイザーとして働くことが夢でした。でも、実際に店舗経営の実績が無ければ、コンサルタントとしての助言にも説得力が無いだろうと考え、まずは自分の力でマニュアルにしばられない飲食店を経営しようと考えたんです。」
柴田さんは、大学卒業後、一旦はファミリーレストランを展開する大手企業に就職しますが、小規模でも個性のある店舗で経営のノウハウを学びたいと考えるようになり、再び学生時代にアルバイトをしていた企業で働きはじめます。その企業は、居酒屋・焼肉店など様々な業態の飲食店を10店舗ほど経営しており、"尾道ラーメン"、そしてオープンからともに歩んで行くこととなる人たちとの出会いにも恵まれました。
綿密な分析に基づくコンセプトの設定
さて、10年ほど実績を積み、地元での開業を決意した柴田さん。開業に際し、まず"商品を誰に売るのか、当店のラーメンを一番喜んで食べてくれるのは誰か"を十分に考えたうえで店のコンセプトを設定したと話します。 「当店は第一に30代以上の男性を顧客ターゲットに設定しています。30代以上の男性は社会で様々な経験を積んでおり舌の肥えた方が多く、単なるブームに流されない真の意味でのお客様です。ですから、店内ではBGMに懐メロを流し、漁師小屋をイメージして木やトタン、はだか電球で昭和の時代を感じさせる雰囲気を出し、その年代のお客さまがまた足を運びたくなるような店づくりを心がけています。飲食店をビジネスとして成立させるには、味はもちろんのことですが、店の雰囲気や接客まであらゆる面の総合力が大切なんです。ただ食べるだけなら家で十分なのに、"なぜ外で食べるのか、お客さんは何を求めて外食をするのか"をよく考えることが大事だと思っています。」
もっとも重要な資金計画
創業に際し特に苦労した点は、との問いには、「やはり資金面でしょうか。用意できる資金は限られており、資金力によって店舗の立地条件や設備などあらゆる面に影響がでてきます。当然、借入も資金調達の一手段ではありますが、過大な借入は事業の足を引っ張ることとなります。私の場合は必要最低限の投資で開業しようとしたため、特に立地条件は決して良かったとはいえませんでした。そのため開業してから口コミが広がるまでには相当な時間を要し、たいへん苦労しました。しかし、ラーメンというのは不思議な力がある食べ物で、気に入ってもらえさえすれば、どんな場所にあってもお客さんは来てくれるのです。今ではかえって自分の力を試すことができてよかったとも思っています。」 創業に必要な資金には、当協会でも県の制度資金である『創業活動支援融資』にてお手伝いさせていただきました。柴田社長は国や県などの支援制度などについての情報収集も重要であり、保証協会や商工会などに相談をするのも非常に有効な手段であると話してくれました。
大切なことは信念と情熱をもって取り組み、それを継続させること 最後に、柴田社長に今後創業を考えている方々へのアドバイスをいただきました。 「どんなに綿密に計画を練っても予期しないことが必ず起きるものです。独立開業するということは、借入をすれば返済義務が生じるし、何があっても誰のせいにすることもできません。ある一面ではリスクが大きいということも確かだと思います。精神論になってしまいますが、一番大切なことは自分がどれだけ信念と情熱をもって取り組めるかということではないでしょうか。そして、試行錯誤を繰り返しながらも、信じたことを継続していくことが重要だと考えています。」
すでに有名店として『醤々軒』の名前は確立されつつありますが、その裏には、おそらく限られた取材時間のなかでは語りつくせない数多くのご苦労もあったのではないかと思います。しかし、『尾道ラーメン 醤々軒』を創業して間もなく丸3年が経過しようとしている現在でも、柴田社長の「お客さんの喜ぶ顔が見たい」という熱意はまったく衰えていません。
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