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株式会社関川畳商店

安心・安全な商品を笑顔とともにお届けします!

 

 

 日本古来より愛されている建材のひとつに「畳」があります。新しい畳を敷いた部屋は、い草のすがすがしい香りがしてなんとも気持の良いものです。外国人の方から見ても畳は日本文化を代表するもののようで、私がジャマイカ人の友人を自宅に招いた時には、「オ~!ジャパニーズタタミネ!」とはしゃいでいました。日本人としては、ぜひとも後世に残したい伝統文化の一つではないでしょうか。
 ところが、統計的に見れば、畳を扱う業者は日本人のライフスタイルや住宅構造の変化に伴う市場規模の縮小から、年々減少傾向にあるようです。しかし、今回ご紹介する株式会社関川畳商店は、顧客の目線に立った様々な経営努力により着実に業績を伸ばし、県内で№1のシェアを誇るまでに成長しています。「お客様との人間味あふれるお付き合い」がモットーという、 "畳ものづくりマイスター(※注)"関川専務にお話を伺いました!

 

※注)ものづくりマイスター
茨城県下第一級の優れた技能を有し、技能の維持継承活動が出来る技能者を茨城県知事が認定する制度のこと。

 

充実した設備とスケールメリットで高品質かつ低価格で商品を提供

 

 ㈱関川畳商店は、関川専務の祖父が昭和2年に石岡市にて創業し、昭和51年に法人成り。通算すると業歴は実に80年以上になります。現在、専務の父である関川福二郎社長が代表取締役を務めており、小美玉市(旧玉里村)に本社工場を所有し、その他、石岡市・小美玉市(旧小川町)・水戸市の3か所に工場・店舗を置いています。

 

 畳屋さんと言えば、私たち素人には職人が手作業で製造しているイメージがあると思います。しかし、同社の工場には、新しい機械がずらりと並んでおり、ちょっと意外な印象を受けました。関川専務によれば、同社の最大の強みは高品質の製品を低価格で提供できる点にあり、それを支えているのが、これらの充実した設備であるとのことです。

 

「弊社では、充実した設備による効率的な作業とスケールメリットにより、高い品質と低価格を維持しております。加えて畳一級技能士の資格を有した職人が徹底した品質管理を行い、人だけがこなせる部分をきちんと賄いながら、機械がすべきところ、人がすべきところのメリハリを利かせ、お客様に納得いただける品質と価格で商品を提供させていただいています。」

 

九州の契約農家 さらに、品質管理への取り組みでいえば、国内で流通しているい草の約70%が外国産であるのに対して、同社では、その多くを九州の生産農家との契約により、直接買い取りを行っています。

「他社を通して原料を仕入れた場合、どこの生産者がどんな農薬を使用して生産しているのか分かりません。畳の原料となるい草は食品ではありませんが、直接肌に触れるものです。トレーサビリティに力を入れ、お客様には『安心・安全』な商品をお届けしたいと考えています。」

 
 これには、顔の見える生産農家から原料を調達することで、他社との差別化を図り自社商品の付加価値を高めることができると同時に、直接買い取りを行うことで流通コストを省くことができるため低価格で商品を提供できる、という二つのメリットがあります。

 

 

 

お客様の声が新たなビジネスのヒントに

 

 同社では、社名に「畳」の文字を掲げていますが、実は扱っている商品は畳に関するものばかりではありません。襖(ふすま)や障子、クロス(壁紙)張り替え、リフォームまで行っており、内装に関するあらゆる顧客の要望に応えられる態勢が整っています。畳屋さんがなぜ?と思うかもしれませんが、同社の多角化は顧客の声がきっかけとなっているようです。

 

工場内には最新の設備が並ぶ「畳替えの仕事を受けた際に、お客様から『襖や障子の張り替えはやってないの?』といった声が多く聞かれました。そこで、30年ほど前から襖などに関する仕事も受けるようになりました。そうすると、さらに『内装はやってないの?』、『リフォームは?』との質問も受けるようになり、それなら、ということで大工工事の技術を持った職人を採用することになったのです。お客様の"ワンストップ"で済ませたいという要望に応えた結果ですね。また、畳替えのついでに大掃除まで済ませたいと考えるお客様が多いようでしたので、その際の家具の移動は無料サービスで承っています。」

 

 顧客にとっては、畳、襖、障子、リフォームなどを、別々の業者に注文するのは手間ですから、出来れば1つの業者で済ませたいというニーズがあるのでしょう。同社とすれば、畳を足掛かりにして様々な受注を受けるチャンスにもなります。さらには家具の移動まで手伝ってくれるとなれば、「次回も関川さんに」ということになるのも納得です。
 当初は収益性などクリアすべき課題もあったようですが、現在では、畳以外に関する受注が全体の50%を占めるまでに成長しています。

 

時代変化に応じた新しい商品への取り組み 

 

 冒頭に、日本人のライフスタイルの変化が畳業界の縮小の一因であると述べました。このような変化に対し、同社では新しい商品の提案で対応しています。下の写真をご覧ください。これは「琉球表(左)」と呼ばれる縁の無い畳です。他にも従来の天然のい草ではなく原料に紙を使用した「和紙表(中)」など、様々な素材を使用したカラフルな商品の取り扱いも行っています。これらの商品は、洋室に和の落ち着いた雰囲気を取り入れることができるということで人気が出てきているそうです。

「琉球表」

「和紙表」

「置き畳」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おわりに・・・

 

 

 同社は営業の強化のため、顧客のデータベースの作成やマーケティング調査を行い、それらをもとに戦略を練り、積極的な営業展開を行ってきました。しかし、関川専務は最終的には顧客の視点に立った地道な営業努力が重要であり、そのためには自分を含め個々の人材が共に成長していくことが必要だと言います。

 

「製造過程やお客様との会話の中での、小さな“気付き”を大切にしていきたい考えています。そして、そこで得た情報を組織全体で共有し、改善を徹底していくこと。小さいことでも当たり前のことを継続していくことが後の成果に結びつくのだと信じています。」

 

 確かに、同社が実施してきたこと、その足あとを見れば、すべてが"お客様は何をもとめているか"を考え抜いた結果であると言ってよいでしょう。関川専務の言う「人間味あるお付き合い」の中にこそ、現状の課題も、それを解決するもヒントも隠されているのであり、それらひとつひとつを積み重ねていくことが大切なのだと感じました。

関川畳商店のみなさん

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