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株式会社日港製作所
金型設計製造からプレス加工まで幅広く行う、型内タップのリーディングカンパニー
今回は、日立市留町の日立南工業団地内に本社工場を置く株式会社日港製作所を訪問し、沢畠弘人社長にお話を伺いました。
※金型:工業製品の金属製や樹脂製の部品をプレス加工のような材料に大 ることや軟化する温度に加熱したプラスチックを射出圧を加えて 押込み、成形するための型。多くが金属製である。 プレス加工:プレス機に特定の金型をセットして、これに板状の金属材
創業の背景・・・
昭和47年(1972年)、先代の故沢畠勝彦社長が日立市久慈町でプレス板金加工を目的に個人創業しました。先代の生家は、もともと漁業を生業としていましたが、漁業の不振から、先代は金型製作会社に勤務し、後に独立をされたそうです。
当社の理念(先代の意思を受け継いで)
当社では、先代社長が掲げた「品質のない会社に明日はない」というスローガンに基づいて、品質管理には特に気を配り、日々お客様からより高い安心感と、信頼感、そしてご満足を頂くための取り組みを行っています。
※ISO9001:2008は、品質マネジメントシステムの規格。品質管理を中心とした組織の活動で、顧客満足を達 成し継続的な改善を意図するもの。 環境への負荷を管理・低減するための仕組みです。 より取得が困難であることから、より分かりやすく取り組みやすい規格として誕生したのがKESです。
沢畠弘人社長に今まで一番大変だったことを尋ねたところ、「社長という役職も大変だが、当社が一番伸びる時に、納期に追われたことが一番大変だった」とおっしゃいます。お客様の納期は守らなければならないので、お客様が当社に製品を取りに来るのでは間に合わないことから、新大阪まで出かけて行き駅構内で荷物を渡してトンボ帰りで次の仕事に取り掛かったこともあったそうです。
年々より高度なニーズとコストダウンを求められている金型業界において、オーダーから設計、量産までお客様の幅広く高度なニーズに素早く対応できることが当社の特徴です。先代がこれまで培った経験とノウハウを最大限に活かし、確かな技術力・開発力をもって、量産性やコストを意識した設計と機械選定、品質管理を行っているところです。
※順送:順送りで作業を行う方法。 業も行うこと。
新たな方針と今後の取り組み
沢畠弘人社長は、「先代が偉大で、自分はまだまだ社長の器ではない」と謙遜されていましたが、専務取締役の沢畠泰明氏と工場長の三人で力を合わせて対応しています。沢畠泰明専務は、他社で7年かけて金型の製作技術を習得し、当社に新しい金型製作技術を取込み、よりスピーディな作業につなげています。従来の金型製作は、技術を持っている限られた人しか携わることができませんでした。このため、不具合が生ずると金型を分解して調整をすることから、修正までの時間ロスが大きかったそうです。 また、社員教育についても力を入れております。お客様の幅広いニーズに応えるため、全ての機械を皆が操作できるようにすることで作業効率と技術力を向上させています。また、最適な設備を構築し、ロスのない高品質な製品作りのノウハウを培っています。
今後においては、異業種と積極的に連携を図っていくことを考えています。左のとおり、株式会社大川金型設計事務所(本社:大分県)と当社が共同提出した新連携事業計画「業界初の世界一軽い金属製ウェーハリングの事業化」が、平成23年6月17日付け九州経済産業局により認定されました(※)。
(※)九州経済産業局 平成23年度第1回「新連携事業計画」の認 定について http://www.kyushu.meti.go.jp/press/1106/110617.html 株式会社大川金型設計事務所はプラスチック成型加工を得意と し、海外生産拠点をインドとフィリピンに展開しています。
ウェーハリングとは、ICチップの製造に使われる半導体でできた薄い円盤(ウェハー)を運ぶ際に使用する用具です。樹脂製リングを2枚のステンレス製リングで挟んだ構造にすることで、総ステンレス製だった従来型リングより62%軽量化でき、運搬費が大幅に削減できるそうです。
さらに、常陽銀行の紹介により、5月19日に厚木市で開催された日産自動車との技術提携型の商談会にも参加し、幅広く当社の技術をアピールし、取引先の拡大に注力しています。
おわりに・・・
「当社のように小さな企業では、社長を含め、従業員は何でもこなさないとならない」という意識を浸透させていかなければなりません。
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