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袋田食品株式会社
奥久慈・大子町で、こんにゃく製造販売、飲食、日帰り温泉、公共の宿を営業
茨城県の奥久慈(注)地域内にある大子町は、袋田の滝、温泉、鮎の観光やな、りんご狩りなどの観光資源に恵まれ、毎年多くの観光客が訪れています。 (注)福島県から茨城県を流れる久慈川(一級河川)の上流域を奥久慈と言い、茨城県内は、大子町、常陸太田市及び常陸大宮市が該当します。 袋田食品株式会社は、大子町で「こんにゃく関所」(こんにゃく製造販売、飲食)、「袋田温泉 関所の湯」(日帰り天然温泉)、「リバーサイド奥久慈 福寿荘」(公共の宿)を営んでいます。 平成23年10月19日に本社を訪問し、高村博美代表取締役社長にお話を伺いました。 家業からの独立、「こんにゃく関所」の開店
高村社長は、実父が経営するこんにゃくメーカーに勤めていましたが、30代半ばで独立を決意し、昭和62年10月、袋田食品株式会社を設立しました。 「スーパーの値下げ要求はとても厳しくて、スーパーに安い金額で値段を決められてしまうのがとても嫌でした。おいしいこんにゃくを自分で手作りして、自分が決めた値段でお客様に売りたいと思いました。」
当社は、こんにゃくの直売を地元では他社に先駆けて始めました。手作りのおいしさが次第に口コミで広がり、観光客の飲食やお土産、贈答品として売上は増えていきました。 材料の精粉(こんにゃく芋を乾燥・粉砕したパウダー状の粉)は、きめが細かい最高級品を使用しており、こんにゃくはえぐ味が無く、滑らかな美味しさが特長です。 「ゆば壱」の開業 「若い人はこんにゃくを食べない……。」 日帰り天然温泉「袋田温泉 関所の湯」の開業 平成9年5月、こんにゃく関所から少し山の中に入った土地で、高村社長は温泉を掘り当て、平成10年9月、「袋田温泉 関所の湯」がオープンしました。
と、高村社長はおっしゃいました。
袋田の山間にひっそりたたずむ源泉100%の関所の湯は、茨城県外からいらっしゃるお客様が多く、リピーターも多いそうです。 公共の宿「リバーサイド奥久慈 福寿荘」の開業 平成17年4月、当社は大子町から福寿荘の管理運営を受託し、旅館業に進出しました。 「奥久慈屋吉餅」の開業 平成21年7月、株式会社奥久慈屋吉餅(おくくじや きちべい)を設立し、だんご・大福の製造販売に進出しました。 (注)常陸大黒は、平成14年に茨城県が品種登録したベニバナインゲン(花豆)のオリジナル品種で、重さが約2gと大粒で、光沢のある美しい黒色が特徴です。生産は茨城県北部の山間地域に限定され、県外への流出も制限されています。 人材育成と会社経営について
こんにゃくの製造販売を起業し、その後、ゆば・豆腐の製造販売、日帰り温泉、旅館と、事業の多角化に成功されてきた高村社長に、人材育成や会社経営に対する考えについてお尋ねしました。
おわりに
11月の奥久慈は、袋田の滝・生瀬の滝・月待の滝・永源寺(通称:もみじ寺)の紅葉が盛りとなり、観光りんご園の「ふじ」、「王林」、市場には出回らない幻のりんご「こうとく」が食べ頃となります。この時期しか食べられない「常陸秋そば」の新そばは、ほんのりと薄い緑色をしていて、香り高く濃厚な味わいです。 |