株式会社ジャパン三陽は、大手カー用品量販店、地域のタイヤ小売店、二次卸売業者など向けに、国内・海外製アルミホイールやカー用品を販売しています。
平成23年12月8日、水戸市内の本社を訪問し、須賀川充雄代表取締役社長にお話を伺いました。
猪突猛進の営業マン
須賀川社長は、学校卒業後、自動車タイヤ販売会社に入社し、その翌年、会社から初の営業を命ぜられました。
日本国内では、東京オリンピックが開催された昭和39年前後から高速道路が急ピッチで建設され、モータリゼーション(車社会化)の進展により自動車保有台数が増加していきました。
前任者から営業エリアを引き継いだとき、須賀川社長は、「営業エリアの下期の売上を対前年比200%にする」という目標を自らに課しました。その当時の思い出を次のようにおっしゃっています。
「半年間は日曜も休み無しで、会社のトラックを運転してガンガン働きました。1か月目から5か月目までは前年同月比200%を達成しましたが、6か月目だけはどんなに頑張っても売上が伸びず、前年同月比98%となってしまいました。
それでも、下期全体では前年比200%を達成して、メーカーから表彰状と記念品をいただきました。本当にうれしかったです。このとき、『目標に向かって挑戦し、やる気になって頑張れば目標を達成できること』を身をもって知りました。」
独立のきっかけ
20代後半のとき、全国のタイヤ販売会社の営業マンを対象にコンテストが開催されました。1,000人を超える営業マンの中で、須賀川社長は第5位に入賞されました。
副賞のアメリカ視察では、全米各地で開催された自動車アフターマーケット(注1)の見本市に足を運びました。
ある見本市で韓国製タイヤを見つけた須賀川社長は、「その韓国製タイヤを日本に輸入して、日本の大手タイヤ販売会社と勝負したい」という熱い思いを胸に秘め、帰国の途に就きました。
そして間もなく独立を決意した須賀川社長は、9年間勤めたタイヤ販売会社を退職しました。
(注1) 自動車アフターマーケットとは、自動車の修理・改造用パーツ、用品、サービス市場を言います。
創業後の歩みと当社のオリジナル商品
昭和51年8月、須賀川社長は韓国製タイヤ・ホイールの輸入販売業を個人創業しました。販売会社時代にお世話になった取引先を中心に韓国製タイヤをセールスした結果、開業1か月目から黒字となり、商売は順調にスタートしました。
昭和51年11月、須賀川社長は「有限会社ジャパン三陽」を設立し、アルミホイールやマフラーなどを取り扱う販売代理店となり、ここからアルミホイール事業を拡大していきました。
昭和58年には、オリジナル商品第1号となるアルミホイール「MONZA(モンツァ)」を製作しました。
その後、「MONZA SPEED」「RUSTIC」「R-VERSIONⅡ」「RS-DOWN」など、機能やデザインで差別化した新しいアルミホイールを続々と開発しました。
平成6年5月、茨城県外に初めて埼玉営業所を開設し、その後、横浜、仙台、名古屋と営業所を増設しました。
水戸市内に3箇所ある当社の物流センターでは、日本全国にいつでも直ちに商品を出荷できる体制を整えています。
当社のオリジナルアルミホイールには、手頃な価格のものからドレスアップ(車に装飾パーツを取り付けること)用の高価なものまであり、デザイン、色、特長などが異なる豊富な商品を取り揃えています。
新商品の企画開発に当たっては、お客様のニーズ、同業他社や海外市場の動向などをもとに新商品のコンセプトを決定し、試作品にさまざまな改良を重ねながら商品化していきます。こうして商品として完成したアルミホイールの生産は、中国など海外のメーカーに委託しています。
さらに、当社では、アルミホイールに次ぐ商品として、オリジナルライト「Drei(ドライ)」シリーズの販売に力を入れています。
「Drei」シリーズには、車のドレスアップに必須のアイテムである自動車用LEDライト「Drei Next」「Drei H.I.D」などの他、アウトドアや車の修理で使えるポータブルLEDライト「Drei ACTIVE LIGHT」も取り揃えています。
東日本大震災による津波の被害
平成23年3月11日、仙台港から直線距離で約1.7㎞も離れた仙台営業所に津波が押し寄せました。パソコンは完全に水没し、事務所は一時使用不能となり、営業再開までに約1か月かかりました。
また、震災後、東北地方を中心にスタッドレスタイヤ用の安価なアルミホイールの需要が高まっているそうです。
「先日は保証協会さんに長期運転資金のお世話になりまして、大変感謝しています。」
と、須賀川社長はおっしゃっています。
おわりに
須賀川社長は自らの経験をもとに、営業について次のようにおっしゃっています。
「営業は商品を売るのではなく、『自分を売る』ことです。商品を売る前に、自分の性格、自分の心、この商品が好きなんだという意欲、そういうものをお客様に売って始めて、お客様は自分を信頼してくれます。」
若者の車離れやガソリン高騰などの影響により自動車関連市場は厳しい状況にある中、須賀川社長の夢である「株式上場」と「全国展開」に向かって役員・社員が一丸となり、常に市場の一歩先を見つめ、新しい特長のある商品開発に邁進する株式会社ジャパン三陽のますますのご発展をご祈念申し上げます。