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株式会社小田喜商店

安心・安全で美味しい岩間栗(茨城県笠間市岩間地方産の栗)と栗加工品を全国に販売



 株式会社小田喜商店の主な取扱商品は、生栗、むき栗、栗の加工食品(甘露煮、渋皮煮、ペースト、焼き菓子、アイス、焼き栗など)です。
 栗は、県内でも生産が盛んな岩間産(右図の赤い部分が旧岩間町)を中心に取り扱っています。
 当社は、菓子店、飲食店、食品メーカー、食品卸問屋向けの卸売が主体ですが、店頭やインターネットでも販売しています。
 平成23年12月28日、笠間市の本社工場を訪問し、小田喜保彦代表取締役社長にお話を伺いました。



菓子店ではない当社が「栗やの栗菓子」を作った理由



 昭和33年、小田喜彦重氏(小田喜社長の実父)が、笠間市(旧岩間町)下郷で栗・落花生の加工販売業を創業し、昭和46年9月、当社を設立しました。
 小田喜保彦社長は、学校卒業後、電気関係の仕事に就いていましたが、29歳から家業に従事し、平成7年5月、38歳で社長に就任しました。
 平成12年、当社は茨城県工業技術センターの技術支援を受け、「栗ペースト」と「栗やの栗菓子」(焼き菓子)の商品開発に成功しました。





 栗の加工販売を主力とする当社が栗菓子を作った理由について、小田喜社長は次のようにおっしゃっています。

茨城県は栗の収穫量が日本一(注1)ですが、その中でも岩間は農家の約4割が栗を生産する県内有数の栗の産地です。丹波栗(京都府と兵庫県にまたがる丹波地方産の栗)や小布施栗(長野県小布施町産の栗)は全国的にブランド栗として有名ですが、岩間栗の美味しさはブランド栗に負けていません。
 ところが、岩間栗の多くは生栗として出荷されており、平成11年頃、岩間には地元の栗を使った菓子がありませんでした。地元の菓子店が美味しい岩間栗を使って菓子を作ってくれることをずっと心待ちにしていましたが、誰も作ってくれませんでした。それならば、自分で作ろうと決心しました。」



(注1) 農林水産省の統計資料によると、平成22年産栗の上位3県の収穫量は、第1位茨城県6650トン(全国シェア28%)、第2位熊本県3320トン(同14%)、第3位愛媛県1870トン(同8%)となっています。



 小田喜社長は、栗ペーストの開発で「栗の風味を残すこと」にこだわりました。栗は香りがほのかで、加工に時間がかかるほど風味が失われていくため、加熱時間を短くして、煮沸殺菌後に急速冷凍することで、栗の風味がたっぷりと詰まったペーストを作り上げました。
 また、「栗やの栗菓子」の商品開発では、原材料の約7割に栗を使用し、栗そのものの旨さを出すことを目指しました。
 「栗やの栗菓子」は、栗を練り込んだ生地で、栗ベースの特製あんを包み焼き上げています。ほんのりと甘く、濃厚な栗の味が楽しめます。もちろん、添加物や香料は一切使用していません。
 ただし、栗の旬を考慮して、11月から3月までの季節限定販売です。



「笠間焼に入ったいわまの栗菓子」「いわまの栗アイス」「ぎゅ」の商品開発



 「新しい栗菓子を創りたい。栗と面白い材料の組み合わせはないだろうか。」という小田喜社長の思いから、平成20年11月、栗入り焼きチーズケーキ「笠間焼に入ったいわまの栗菓子」の販売を開始しました。
 容器(幅約8cm、高さ約9cm)は、笠間焼の製陶業者がひとつひとつろくろで手作りしています。容器を栗の形にした理由は、表面積を小さくすることにより栗の風味を残すためです。1器2,700円の栗入りチーズケーキは、笠間焼の遠赤外線効果でじっくりと焼き上げています。

 平成21年11月、「いわまの栗アイス」の販売を開始しました。製造は、株式会社美野里ふるさと食品公社(小美玉市部室)に委託しています。
 「いわまの栗アイス」は、栗ペーストを30%も練り込んでいます。栗本来の風味を保つため、香料・お酒は一切使用していません。砂糖を控えめにして、栗の上品な甘さを引き立てています。


 平成23年11月、栗と砂糖だけの栗菓子「ぎゅ」の販売を開始しました。
 「ぎゅ」は、新鮮な栗の風味を閉じ込めるため短時間で水分を飛ばし、仕上げに砂糖をまぶし、表面をこんがりと焼いてカラメル化しています。ねっとりして、しかもほくほくした食感で、栗本来の旨味と風味がぎゅっと凝縮された濃厚な味わいです。



おわりに



 「縄文人も食べていた栗は、日本人の原点となる食べ物。安心・安全で美味しい栗を多くの人に食べてもらい、栗農家の収益向上と栗の地位向上につなげたい。そして、岩間栗が日本一のブランドとなれるようこれからも頑張っていきたい。」

と、小田喜社長はおっしゃっています。

 長年にわたり熱心に栗を研究し、栗をこよなく愛する小田喜社長のお話を伺い、栗への熱い想いと栗農家を大切にする姿勢が伝わってきました。
 株式会社小田喜商店のますますのご発展をご祈念申し上げます。





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