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株式会社諸岡
「MOROOKA」ブランドの建設機械・農林業機械・環境機械を茨城・龍ケ崎から全世界に販売
株式会社諸岡は、建設業、林業、陸上自衛隊などによる災害復旧の分野で使用される特殊機械の製造販売を主力に事業を展開しています。販売先は国内のみならず、海外の販売代理店ネットワークを通して、韓国、東南アジア、オーストラリア、ヨーロッパ、北・中南米に輸出をしています。 当社の歩みと製品の特長 昭和33年3月、諸岡一雄元会長(諸岡社長の実父)は、龍ケ崎市で井戸掘り・配管敷設工事業を創業し、作業を効率化するためのポンプを独自に開発しました。 昭和40年代、建設機械のクローラ(キャタピラー)は鉄製でした。鉄クローラは重くて切れ目があるため、湿地や軟弱地(地盤の軟弱な土地)では鉄クローラが地中に沈んで動けなくなり、工事が度々ストップしました。そのような事情から、湿地や軟弱地でも機動力のある軽量な建設機械の開発を目指したことが当社のものづくりの原点です。 鉄クローラと比較して、ゴムクローラの主な特長は次のとおりです。 ① 接地面の損傷が小さく、コンクリートやアスファルトの舗装面でも通行可 能。 ② 騒音や振動が小さく、乗り心地が良い。 ③ 接地圧が小さく、湿地・雪上・傾斜地でも安定した走行が可能。 ④ 重量が軽く、スピードが出る。 ⑤ クローラがゴムで一体となっているため、泥詰まりなどが無く、メンテナン スが楽。 運転操作は「全油圧機構(HST)」によって行われます。要はギアチェンジをスムーズにするために、水道の蛇口を少しずつ開いていくのと同じ要領で油の流れる量を変化させて、油圧ポンプや油圧モーターを駆動させるようになっており、当社独特のシステムになっています。この為に当社が組み立て販売する機械には、乗用車にあるブレーキやクラッチがありません。前後進、減速、左右旋回、その場旋回などの運転操作を1本の操作レバーで行います。 氷上の走行も可能から、昭和52年10月より南極地域観測隊の昭和基地にショベルと運搬車を納入しています。 社長就任と新製品への取組み諸岡正美社長は、大学卒業後、建設会社勤務を経て当社に入社し、30歳で代表取締役社長に就任されました。昭和63年当時は、景気も良かったので、農業機械分野へも積極的に進出し、平成2年には、ゴムクローラ式農業トラクターの製造販売と防衛庁(現・防衛省)に資材運搬車の納入を開始するに至りました。 その後、バブル経済は崩壊し、国内の建設機械の需要が低迷したため、当社は欧米向け建設機械の輸出に注力し、販売市場の分散に努められたそうです。 近年国では、地球温暖化防止の観点から二酸化炭素を吸収する森林の役割に着目し、森林の整備(間伐、林道整備など)や間伐材・樹皮・端材などの焼却による発電を積極的に推進しています。そこで、当社では、ゴムクローラ式林内運搬車・木材破砕機・木材チップ選別機の販売を強化しています。 平成23年3月に起こった東日本大震災では、陸上自衛隊による行方不明者の捜索やがれきの輸送に当社の資材運搬車が使われました。 平成24年1月、当社は当協会の保証付私募債1億円を発行しました。 おわりに諸岡社長は、当社のものづくりと使命について、次のようにおっしゃっています。 「当社は建設業から出発し、『こんな機械があったらいいな』という思いで自社で使用する機械の開発に取り組んだことが、当社のものづくりの原点です。当社では、ものづくりの原点を忘れず、お客様が今何を求めているかを常に意識しながら特殊機械を多品種少量生産しています。 高品質で独創的なゴムクローラ式特殊機械を全世界に提供する株式会社諸岡のますますのご発展をご祈念申し上げます。 |