茨城県信用保証協会

元気企業

バックナンバー

株式会社環境研究センター

高度な環境測定技術により社会の健全な発展と暮らしの安心安全に貢献



 株式会社環境研究センターは、つくば市、さいたま市及び名古屋市に事業所を有し、国や地方自治体,農協や食品会社等を取引先に環境や食品に関わる各種分析・測定・調査を主力に事業を行っています。
 平成24年8月9日、つくば市の本社を訪問し、片野明代表取締役にお話を伺いました。



設立と4つの事業展開



 

 ㈱環境研究センターは、昭和62年12月、田井愼吾氏(前社長、現会長)が設立し、代表取締役に就任しました。田井氏は、環境庁国立公害研究所(現・独立行政法人国立環境研究所)にて水環境の研究に従事していましたが、「研究の成果を基に広く社会に貢献したい」という想いから、独立開業に至ったそうです。
 片野社長は水処理を専門とする民間会社に勤務していましたが、仕事上付き合いの深かった田井氏の独立を機に退職し、会社の設立に参加しました。平成22年には、片野氏が新社長に、田井前社長が会長に就任しました。

 

 

 ㈱環境研究センターは、環境計測、環境調査、食品安全検査及び水環境コンサルティングの4事業を行っています。

 

1 環境計測事業
 工場排水や河川等の水質・排出ガスや大気、土壌や産業廃棄物中の有害物質・工場等の騒音や振動などが、法律や条例で定める公的な規制や基準に適合しているかを分析測定調査しています。

 

2 環境調査事業
 大気質・水質・騒音振動・悪臭・土壌汚染の現地調査・データ解析評価、ゴルフ場やダムなどの大規模開発に伴う環境アセスメント調査(動植物の生育・生息調査と開発の影響評価)などを行っています。

 

3 食品安全検査事業
 食品中の残留農薬検査、衛生検査、食物アレルギー検査、放射性物質検査など、食品の安全性に関わる各種分析・検査を幅広く行っています。

 

4 水環境コンサルティング事業
 主に地方自治体が運営する下水道施設の水処理・汚泥処理に係る調査研究を手掛けています。



当社の経営方針


 

 食品の安全を例に挙げると、ここ数年、海外で発生した粉ミルクの毒物混入事件や、輸入野菜の残留農薬問題など、食の安心・安全を脅かすニュースを多々見受けます。
 当社では、食品輸入会社や農業協同組合などから食品の残留農薬検査の依頼を受けると、豊富なノウハウと700種類の農薬を分析できる高度な技術力を駆使し、最新の設備を用いて迅速かつ高精度な分析を行っています。
 片野社長は、

 

「ただ物を計測しているだけでは駄目です。当社では、会社の業務内容や計測手法を時代の変容に合わせて絶えず変化させてきました。その結果、700種類の農薬を測定できるようになりました。常に社会のニーズを的確に捉え続け、目に見える安心を提供していくことが重要なのです。」

 

とおっしゃっています。



 

画期的な高精度地点設定システム『いちぎめくん!』


 


  当社は、衛星測位システム(注)と携帯通信を用いた小型の高精度地点設定システム『いちぎめくん!』の開発を独立行政法人 国立高等専門学校機構 茨城工業高等専門学校(茨城高専)と共同で取り組みましました。


(注)衛星測位システムは、受信機と人工衛星との間で電波を送受信することにより、自己の位置を把握する仕組みのこと。
 

 

 『いちぎめくん!』は、測位に利用可能な人工衛星の数を大幅に増やす技術を採用し、誤差が最小数センチ以内という高精度な測位を実現しています。小型で軽量な『いちぎめくん!』を使えば、高精度な位置情報を簡単かつスピーディに取得することができます。
 例えば、土壌汚染調査や動植物調査では、計測地点を正確に測位することが不可欠ですが、従来は光学測位で、2人で2~3日かかっていました。それが、この『いちぎめくん!』を使うと、たった1人で、1日で計測を楽々行うことができます。
 今後はその用途を広げ、遺跡埋蔵物調査や放射能の汚染状況調査など、様々な分野での活用が期待されています。

 

 

 

おわりに

 

 

 

 片野社長は、お会いしている間何度も「社会貢献」という言葉を口にされていました。
高度な技術による社会貢献や、安定した雇用による地域への社会貢献。この「社会貢献」の精神が、高度な技術や画期的商品の開発につながり、会社の成長の源になっているのだと感じました。
 最新設備を導入し、長年培ってきた豊富なノウハウと高度な技術力を活かし、環境保全に貢献する株式会社環境研究センターの益々の発展をお祈り申し上げます。





▲Top