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株式会社スクリーン設備

国内唯一の大型スクリーンメーカーとして、お客様のニーズに応えながら高品質の製品を生み出す。



  株式会社スクリーン設備は茨城県坂東市に本社・工場、東京都足立区と兵庫県尼崎市に営業所を構え、映画館やイベントで使用される大型スクリーンを設計、製作、施工しています。
 平成25年8月6日、坂東市内の本社を訪問し、上村秀人代表取締役にお話を伺いました。



 

創業の経緯


 

 

 上村社長は学校卒業後、千葉県にあった大型スクリーン製作会社に勤務し、スクリーンを天井や壁に吊るすための吊物昇降装置などの設計、製造を担当していました。
 平成9年、上村社長に転機が訪れます。勤務していた会社が突然倒産してしまったのです。そのような中、同じような境遇にあった元同僚たちが集まり、平成9年9月に坂東市(旧猿島町)で当社を創業し上村氏が代表取締役に就任しました。
「倒産してもなお、多くのお客様に取引の継続を求めていただいたことが、会社を立ち上げる大きな励みになりました」
と上村社長はおっしゃいます。
 

 

高品質の製品を生み出す卓越した技術力 


 

 

 当社は、日本国内で唯一の大型スクリーン製造会社です。
 スクリーンの製作は、以下の①~④の工程からなります。
①[カット・加工]
 スクリーンの材料である塩化ビニールシート          をカットし継ぎ目が目立たないようにつなぎ合わせる。
②[穴開け]
 映画館用スクリーンでは、音を通しやすくするため、スクリーンにサウンドホール(微細な穴)を多数開ける。
※映画館では、スクリーンの裏側にスピーカーが設置されているため、必要な工程です。
③[特殊塗装]
 スクリーンをシワができないように塗装場に張り、ホワイトやアルミ銀粉の塗料を調合し、ゴンドラに乗った職人が色ムラができないように全体を塗装する。
④[梱包・運搬・設置]
 スクリーンを映画館等に傷ができないように運搬・設置し、映像を試写、規定どおりの映像が投影されるか検査する。

 

 特に映画館用スクリーンにおいては、映像を投影した時に発する明るさが細かく指定されており、スクリーンにわずかでも不具合があると映像不良の原因となります。
 常に一定の品質を満たすには、シートのつなぎ目の正確さや塗料の調合技術、塗装作業時の気温や湿度に合わせた塗装技術など、多くの高度な技術的要素が必要とされます。
 当社では、2005年に開催された愛・地球博において、2005インチの超大型スクリーンを納入し、国内外に当社の技術力の高さを示しました。

 

 

 

時代のニーズに応じた商品開発




 

  ここ数年、日本では3D(立体)映画がブームとなり、3D対応スクリーンが注目を浴びています。
 当社が製造する3Dスクリーン「3D 24」は、3D映像システムの開発・販売のパイオニアであるアメリカのリアルD社に2010年認定されたスクリーンです。
 世界50カ国以上で事業を展開するリアルD社が採用するスクリーンには、厳しい品質基準が設定されています。同社が認定したスクリーンメーカーは世界に7社しかありません。

 上村社長は開発当時を振り返り、
「3D映像では、スクリーンに特殊塗料が均一に塗布され、塗料の粒子がきれいに揃っていないとうまく映像が浮かび上がりません。塗料の調合や塗装技術など、試行錯誤の連続でした。」
とおっしゃいます。
 当社では他にも、半透明スクリーンや半円状に自由に曲げることができるスクリーン、裏側から投影できるスクリーンなど、顧客の様々なニーズに応じた製品を開発しています。
「こんなスクリーンが欲しいというお客様の声に応えることと、お客様の喜ぶ顔を見ることが私たちの製品開発の原動力です。」
と上村社長はおっしゃいます。

 

 

 

おわりに


 

 

 上村社長からお話を伺う中で、当社が世界中で事業を展開するグローバル企業であるリアルD社に技術力を認められた世界でも数少ない企業の1つであることに驚かされました。
 スクリーンのプロ集団としての誇りやどこまでも顧客の要望に応えていく経営姿勢が技術の向上や取引先の厚い信頼を生み、会社の成長につながっているのだと感じました。
 今後のますますのご発展をお祈り申し上げます。

 

 

 

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