元気企業
バックナンバー
株式会社せき
安心と信頼を届ける「笑顔創造企業」
株式会社 せき 代表取締役社長 関 孝範 |
カット野菜への進出が成長へのターニングポイント
スーパーやコンビニエンスストアで売られている多種多様のお惣菜。もはや私達の生活に欠かすことのできないものと言っても過言ではありません。単に便利というだけでなく、美味しく栄養にも富んでいるそれらお惣菜。当然に野菜も多く使用されていますが、その食材たる野菜を安全・安心な状態で提供してくれているのが、ひたちなか市に本社を置く株式会社せきです。創業は明治42年と100年近い歴史を有する同社ですが、カット野菜などの業務用野菜加工に進出したのは、昭和58年からのことでした。
「その頃の当社は、野菜卸売りが主業でした。しかし、当時弁当や惣菜等のマーケットが拡大しつつあったこともあり、カット野菜の分野に進出したんです。結果として、これは当社にとって大きなターニングポイントでした。」
と同社の関孝範社長は語ります。
現在、同社はひたちなか市の本社工場のほか、石岡工場、埼玉県深谷工場に加え、東京や札幌、さらには中国にも営業・事業拠点を有するなど、順調に事業を拡大させています。
徹底した衛生・安全管理で「食の安全」を守る
現在、同社の事業内容は大きく次の3つに分かれています。最適産地から旬の野菜を調達する原料事業、様々な野菜をカット加工する加工事業、そして季節の花を提供する花き事業です。
「原料、加工、花き。これらが当社事業の3本柱ですが、やはりメインはカット野菜等の加工事業です。販売先は食品メーカーやスーパー、コンビニなど約200社。カットの大きさ、厚さなどお客様のあらゆるニーズにお応えできる体制が整っています。また当社側から商品のご提案をさせていただくこともあるんです。」と関社長。
もちろん「食」に携わる企業として、衛生・安全面については徹底した管理が行われています。作業場内にはローラーがけ、手洗い、殺菌、そしてエアシャワーを経てはじめて入ることが許されますし、野菜の洗浄には機能水と呼ばれる強酸性水が使用されています。
さらに同社では、高まる消費者の「食の安全」意識に対応するため、新たな対策をはじめています。それが、「野菜生産履歴のデータベース化」です。
「5月から農作物の残留農薬などを規制するポジティブリスト制度がスタートしたこともあり、産地や使用農薬の種類などをデータベース化して、そのデータをお客様にご提供していく予定です。システム整備や作業コストを考えるとそれ相応の負担ですが、安全・安心な食材を提供するというのは、私共の基本ですから。」
すでに約3割の品目についてはデータベース化の作業を終えており、今後もスタッフ増員等により整備を急ぐ予定でいます。
食材を通じて社会に貢献
同社で使用される野菜は、選りすぐりの産地から厳選されたものだけですが、契約農家を選ぶ際には、必ず関社長自ら現地に赴き、直接生産者と会うようにしています。
「野菜作りにも人柄が出ます。だから生産者の人柄を見れば、どんな野菜を作っているかよく分かるんです。野菜に対し愛情を持った人間が作った野菜は、やはり違います。」
「そうやって仕入れた野菜を、今度は私達が愛情を持って加工する。生産する人間、加工する人間双方の愛情があってはじめて納得できるものをお客様にご提供できるんです。」
こうした関社長のこだわりは、取引先からの厚い信頼となって同社にフィードバックされています。
「私たち人間は、一日として食べない日はありません。日々健康な生活を送るためにも、やはり毎日の食事が大切なんです。当社としてはその大切な食の材料を通じて、社会に貢献したいと考えています。」
そこには同社のキャッチフレーズである「食卓を担う、笑顔創造企業」たる自負心と責任感が強く感じられます。
常に変化・進化し続ける企業へ
昨年には冷凍ほうれん草などを取扱う石岡冷凍工場が稼動を開始。冷凍X線検査装置など最新鋭のラインを備えています。また同敷地内には900㎡にも及ぶ大型冷蔵棟も完成しました。
「冷凍加工事業は新しいチャレンジですが、将来的には当社のもう一つの柱にしたいと考えています。石岡工場への設備投資は当社にとって大きなものでした。しかし、私は常に新しいものにチャレンジし、変化・進化を続けていかなければ、会社というものは駄目になってしまうような気がするんです。」
青果物商からはじまりカット野菜大手へ成長した同社。それは関社長の言葉通り、常にチャレンジしてきた結果と言えます。今後、関社長のもと同社はどのように更なる変化・進化を遂げていくのでしょうか。
同社の一層の成長と躍進を当協会としても願ってやみません。