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株式会社 河村製作所
卓越した設計・製造技術と改革でオンリーワンの製品を生み出す!
株式会社河村製作所 代表取締役 河村俊之 本社所在地 日立市大みか町2-2-12 事業内容 自動車電装部品製造・ ダイキャスト金型設計製造他 創 業 昭和15年 (法人設立 昭和25年) |
自動車の普及とともに経験と技術力で大きく飛躍
身近な電気製品など、さまざまな工業製品を作る上で欠かせないのが金型です。同じ形のものを大量に製造できるのも金型技術が飛躍的に進歩したおかげといえるでしょう。この金型製造技術を活かした製品づくりで成長を続けているのが、日立市に本社を置く株式会社河村製作所です。同社は工業製品づくりに欠かせない金型をはじめ、自動車の電装部品の設計、それらの製造にも取り組んでいます。
「当社がアルミダイキャスト金型の設計・製造を開始したのが昭和35年。昭和43年から冷間鍛造による自動車電装部品の製造を開始しました」と話す河村俊之社長。まさに同社は、日本のモータリゼーションとともに歩んできた企業といえます。
進化するカーテクノロジー それを支える同社の製品
モーターや発電機のカバーなど自動車電装部品のダイキャスト金型を設計・製造して顧客に納品するだけでなく、自社でも自動車電装部品を製造している同社。それらの部品のなかには、同社が開発したオンリーワンの部品がいくつかあります。そのひとつがフラットコンミテーターと呼ばれる金具です。これはガソリンタンク内にある燃料汲み上げモーターの部品で、同社の製品は製造方法で特許を取得しています。
ものづくりの原点を忘れない それは技術者の誇り
会社の設立は昭和15年、日立製作所の協力工場としてのスタートでした。
「昔はまさに下請け工場という形態でしたが、違う見方をすればさまざまな実験工場としての役割を担っていたと思います。言い方を変えれば、技術開発部門でもあったわけです。」
この言葉は、ものづくりの原点を忘れない技術者の誇りを感じさせます。工作機の改良など、母体の大きいメーカーではなかなか手のつけられないことにずっと取り組んできたと河村社長は当時を振り返ります。
革新と改善、そして人材育成が会社を強くする
経験とノウハウの蓄積、そして技術力の大切さを知るからこそ実践できたことがいろいろあります。そのひとつが人材育成でした。
「人を育てなければ将来はない、そう感じていました。」
同社では金型の設計にとどまらず、製品を自動的に組立てる「専用機」の設計も行っています。この金型とプレス機を合体させた機械の設計には経験やノウハウが不可欠です。この専用機の設計ができる人材を一人でも多く育てようというのが当時の河村社長の狙いでした。
「若い人にはとにかく体験させることが大切です。失敗したときも、その原因を徹底的に追及すること。それが改善につながります。」
新しいことに取り組む。それはものづくりだけでなく、経営も同じ。革新と改善が会社の体質を強くするとも河村社長はいいます。
金型製造においても逸速くIT化に踏み切り、大幅な納期の短縮を実現した同社。その成功は、優秀な人材が揃っていたからこそ生まれた結果でもありました。単に最新鋭設備を導入だけではなし得なかったものなのです。