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UMAC株式会社

機械へのたゆまぬ探究心で、存在価値を高めて成長

佐藤武久社長

 UMAC(ユーマック)株式会社 
 
代表取締役社長 佐藤武久
 事 業 内 容 /中古工作機械の修理・販売
 事務所・工場/常総マシンセンター
            茨城県常総市豊田1745-7
          下妻工具センター
            茨城県下妻市加養3496-6
          つくばマシンセンター
            茨城県つくば市梶内484-1
          古河マシンセンター
            茨城県古河市尾崎3052-9
 設   立 /昭和55年12月

 確かな技術と精度でマザーマシンを提供

常総マシンセンター外観 

今日人々の暮らしに欠かせない機械。それは、電車・車・ナビ・パソコン・携帯電話・家電そして人工衛星に至るまで様々です。これらの機械を作り出すのが工作機械で、あらゆる機械の生みの親なので「マザーマシン」とも呼ばれています。
 製造業を営む中小企業の大半は、この工作機械をいかに安く導入するかが課題となり、当然、中古でも精度の良いものは選択肢の1つであることは言うまでもありません。この中古工作機械を自ら修理し、新品の3分の1程度の値段で提供しているのが、常総市を主要拠点として営業している「UMAC株式会社」(ユーマック・・・SED MACHINEの4文字から命名)です。
 あらゆる工作機械を次々と仕入れて、手早く修理、新品同様の精度までレベルを上げて安く販売していく同社。その確かな技術とその精度により、顧客は九州地方から北海道までと全国レベルで年々増加、年商9億円程まで成長するに至っております。
 「我が社の仕事は、高く仕入れて安く販売しなければお客さんはついてこない。かといって、安くてもいい加減な商品は販売できない、工作機械は精度が命。それを実現するためには、確かな技術が一番大切なんです。」と佐藤武久社長は語ります。

 

 機械は使ってみて初めてその価値がわかる

 

陳列される商品(工作機械) 父親が工作機械の販売に携わっていたことから、中古機械の業界を知ることになった佐藤社長。機械いじりが元々好きで、大学も機械学科を選択、卒業後も中古工作機械販売店へ勤務することになります。その勤務先では、仕入から販売の営業そして修理まで全て行いました。なお、夜は別の自動工作機械が設置されている工場に時間制で働き、実際に動いている機械と接する機会を設けました。「機械は使ってみてその価値が初めてわかるんです。自動車だって、実際に車を運転してみなければその良し悪しはわからないでしょ。実際に動いている機械を使ってみて、その価値を把握できなければ、販売だってできないと思ったのです。」と佐藤社長。

 こうした経験を積んで技術を習得した佐藤社長は、約9年間の勤務を経て、東京で独立、現在の会社を立ち上げることになるのです。

 会社設立して3年後、当社は工場・倉庫を求めて茨城に拠点を移すことに。現在工場・倉庫は大きく常総市、古河市、つくば市、下妻市の4箇所となっていますが、本拠地の常総市だけでも工場・倉庫は5棟あり、機械の種類別に配分されています。
 現在全工場・倉庫にある商品(機械)在庫は約500台にも上っています。この在庫は全て同社のホームページ上に掲載され、これを見た顧客の問い合わせに応じるという形がほとんどです。佐藤社長は言います。「弊社は、倉庫内に陳列した商品(機械)をすぐ稼動できる状態にしておくんです。だって、商品を見に来たお客さんはその機械を何に使うかは当然知っていても、それがどう具体的に動く(働く)か知りたいでしょ。先程も言いましたように、機械は実際に使ってみなければ価値はわからないのですから。」
 そのような工夫もあり、商品により差はありますが、同社は平均4ヶ月程度の期間で「仕入→修理→販売」を可能にしています。

 

 技術を習得することは一生の価値、そのような人材は定年もない

搬出予定の機械機械を修理点検する職員 

 前述のように、同社は在庫を平均4ヶ月間で回転させています。しかも、驚くべきことにその修理作業は、ほとんど4人の技術者(同社ではマシンドクターと呼ぶ)と4人の外注技術者のみで行っていることです。他にも職員はいますが、内4人は、今のところまだ技術見習い(同社で研究員と呼ぶ)で、現場の経験の中で技術習得の教育を行っているそうです。
 「マシンドクターの4人と外注技術者4人はメーカーから中途入社した人達ですが、機械修理の技術と知識を習得しており、日本中いや全世界で通用する人材です。そして、当社はこのような良い人材にはお金もかけますし、定年も設けておりません。技術力の未熟な10人より技術レベルの高い人材1人の方がよっぽど価値があると思っています。ですから当社の〝研究員〟もドクター目指して切磋琢磨していますよ。」

 

 技術や知識は年数を重ねれば重ねるほど蓄積されていく、そして身についたものはどこにいっても通用する一生の価値となる。だからこれを習得した人材は年齢に係らず大事にするという佐藤社長。まさに人材こそが同社の宝なのです。

 

 売上プラスアルファ、それが会社の存在価値を高める

 

 技術力と精度の信頼を獲得、そしてインターネット販売が周知されてきたことから、ここ数年売上が増加基調で推移している同社ですが、佐藤社長は常に心掛けていることがあります。
「単に売上(儲け)が増加するだけを目標にしたくないんです。事業を行う上で儲けることは大事ですが、新しい技術や知識の習得等の何らかのプラスアルファがなければ、人生の無駄と考えているんです。」
 特にこのイノベーションの時代に機械類の進展、移り変わりは激しく、常に新しいことに興味を持たないと自分そして会社の存在価値を高められないと、たゆまぬ探究心で臨む佐藤社長。

佐藤社長(右)と秋葉工場長(左) また、社長のブレーン秋葉工場長も、同社の仕事について面白い言葉で表現します。
 「機械の修理は、〝サスペンスドラマ〟なんです。最初は複数の容疑者(想定される故障原因)が浮かびます。これをいかに早く真犯人(本当の原因)を見つけて、逮捕(解決)するかが我々の仕事です。そのためには、端から取調べ等せずに、見当をつけてまっしぐらに核心に迫ることが大事です。そして、この優れた推理力(技術力)は知識と経験の賜物なのです。難事件を解決できた時の喜びは格別です。工作機械の修理は面白いですよ!」

 

 お二人の話を伺っていると、仕事に対して本当に前向きで貪欲、そして何よりも機械が好きなんだと痛感します。そして、このことが同社を成長させている大きな要因と思われます。

 

 社会経済はめまぐるしく変化し、その荒波の中で苦戦を強いられている中小企業も少なくありません。この不安定な情勢の中でも、「組織・業界に依存しているだけではなく、常に自分を高める努力が重要。確固たるものを自分で持ち続ければ怖いものはない。」と佐藤社長。さらにはこう語ります。「しかし、会社を経営するとなると、自分だけでは成長はできない。良い人材と保証協会のように資金サポートしてくれる機関があってこそ、ここまで来れた。」
 同社のさらなる飛躍をご期待申し上げるとともに、当協会としても引き続きご協力していきたいと思っております。

 


 

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