元気企業
バックナンバー
株式会社リカード
地域のさまざまなニーズに合ったヒューマンスキルを提供
株式会社リカード |
さまざまな分野で顧客のニーズに対応
競争の激しい企業経営においては、いかに経営効率を高め、企業体質を強化していくかが重要になります。そしてこれを実現するには、コア事業部門に集中し、それ以外の部分を外部委託(アウトソーシング)することが1つの有効な手法となります。
近年、このアウトソーシングは、単に「コストダウンが図れる」という点に留まらず、新たなビジネスモデルを展開(構築)する手段としても活用され、企業経営において重要な位置を占めるようになっています。
このような中で、県内を中心に地域密着・人間性重視の人材派遣サービスを提供し、成長しているのが、株式会社リカードです。県内に4箇所、そして東京上野にも営業所を構える同社は、数多くの顧客(派遣先)と取引し、顧客の特性・ニーズにあった人材を提供し、地域企業の成長に貢献しています。
「特定の業種に特化せず、多方面のお客様の様々なニーズにこつこつと応えてきました。そして、人間性を重視し、お客様の社風、環境に合った人材のご提案をしてきたことが、今に繋がっていると思っています。」と米川和利社長は言います。
人と接すること、人を応援することが好きで人材サービスへ
米川社長は学卒後、薬品会社のプログラマーとして勤務していましたが、3年半後には大手人材派遣会社へ転職することになります。
「学生時代に行なった接客業のアルバイトの中で、様々な企業の幹部クラスの方と交流を持つことができました。そして、仕事に夢を持って働いている姿を目の当たりにし、"一生懸命働いている人って素晴らしいな"と実感しました。私が就職した昭和60年当時はコンピューター関連業務が注目されていたこともあり、当初プログラマーの道を選んだのですが、やはり人と常に関りを持ちたい、頑張っている人を応援したい、との気持ちが強く、人材派遣会社に転職したのです。」
しかし、転職先である派遣会社に勤務するうち、自らの理想とギャップが生まれることに。
「大手の会社だと仕事に効率性、標準化を求めるあまり、どうしてもビジネスライク(ドライな対応)になってしまうんです。私は人に対してそのような対応はしたくなかった。派遣される人、派遣を受け入れる企業それぞれに様々な事情、需要があるわけですから、これをできるだけマッチさせ、お互いが幸福になれるようにするのが、真の人材サービスと常々思っていました。」と米川社長。
こうして、米川社長は自らの会社を立ち上げていくことになります。
いろいろな人にいろいろなサービスを、それが地域貢献
人材派遣サービスを行なう中小企業は、大手企業との差別化を図るため、得意分野の業種に特化することが多いようです。しかし、同社の場合はあえてそれを行なわず、総合人材サービスの形をとっています。そのため同社の取引先は約220先にものぼっています。
一方、同社が派遣する人材は、ほとんどが登録社員で、その人数は約7千人にものぼり、その派遣内容も実に多岐に亘っています。事務職、技術職等はもちろん、週末の各種イベントスタッフから携帯電話ショップの店長を集めての新機種説明会のような商品に対する高度な専門知識を要するものまで実に様々です。
このような総合人材サービスは、大手企業にはよく見られる形態ですが、登録社員への事前研修等も必要なため、正社員が31名の同社にとっては非常に大変なのではと思われます。しかし、その問いに米川社長はこう答えます。
「特定の業種に絞れば効率も良く、負担も減るでしょう。しかし、私たちは特定の人たちだけでなく、いろいろな人との出会いを大切にしたいし、いろいろな企業のいろいろなニーズにお応えしたいと考えています。そして、これこそが私たちにできる地域貢献だと思っているんです。」
その同社の地域貢献の一つに昨年8月に水戸市役所近くに開設した「R-cafe(仕事情報館)」があります。「カフェ感覚で仕事が探せるスポット」をコンセプトに、ドリンクやインターネット、キャリア相談等は全て無料。仕事を探す人が気軽に足を運べる場を提供しています。
〝派遣のプロ〟が目指すのは顧客企業の第二人事部
規制緩和と企業の需要増加により、現在、人材派遣市場は拡大傾向にあります。こうした中、ほぼ全業種に対応可能な同社にとって、事業を一気に拡大することはそう難しいことではないかもしれません。しかし、米川社長はこう語ります。
「確かに今、企業は人手不足であり、人数だけでも確保していればこの業界は儲かるのかもしれません。しかし、私たちは人と人とのつながりと信頼、言い換えれば派遣企業と派遣スタッフがお互いに納得し、気持ちよく働ける環境を提供していくことが第一と考えています。ですから、適材適所の人材提案とアフターフォローの充実に注力し、社員には"派遣のプロ"という認識を強く持つよう指導しています。」
同社では『アフターフォロー行動指針』を定め、これを社員に徹底し、派遣先・派遣スタッフの声に耳を傾け、よりよいサービスの向上に努めています。
また、どの部分がコア事業で、どの部分がアウトソーシング可能かという点をよく認識できていない企業も意外に多く、そういった企業にコンサルティングをすることでビジネスチャンスも広がって行くと米川社長は感じているそうです。
「これまで、様々な方の様々なニーズにお応えしてきたつもりですが、今後はより一層社員のスキルアップを図り、お客様に対し人材提供を通じて、プロジェクトの企画立案やビジネスモデル等もご提案できる会社を目指していきたいと思っています。つまり、我々はお客様の"第二人事部"として必要とされる組織でありたいのです。」
今後とも、社名である「リカード(人間の力で物事を成し遂げる)」のように、同社が様々な人材サービスにより、地域発展のために貢献していかれることをご祈念いたします。