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株式会社マスダ塗装店

秀でた技術力と人材教育で塗装業界をリード

増田勝人社長

 株式会社マスダ塗装店
 代表取締役社長  増田 勝人
 事 業 内 容/ 橋梁・鋼構造物塗装
           一般建築塗装、防水工事業
           建築総合改修工事他
 本    社 / 茨城県水戸市大工町3丁目2番8号
 本    店 / 茨城県ひたちなか市中根5255-3
 営 業 店 / 東京事務所(東京都北区)
           鹿嶋支店(茨城県神栖市)
                     いわき支店(福島県いわき市)

 創       業  / 昭和23年
           (法人設立 昭和48年11月)

 永年の業歴と顧客第一主義で受注を安定確保

同社が塗装を手掛けた海浜公園観覧車の工事の様子

 

塗装工事業といっても分野は様々です。一般住宅の塗装を行う小規模工事からビルの塗装、さらには橋梁、鉄塔から工業用プラント等の塗装までと、扱うものから規模まで多岐に亘ります。そして、塗装種類の多様化、技術の向上や環境問題など業界を取り巻く環境も激変し、技術革新について行けない企業は厳しい経営を迫られることになります。
 このような中で、県内を中心に建築物塗装全般から、橋梁そしてコンビナート、発電所の塗装と広範囲に塗装工事を行い、さらには防水工事や土木工事、最近は建物のリフォームも手掛けるなど、幅広い分野で活動し成長を続けているのが、ひたちなか市に本拠地を置く株式会社マスダ塗装店です。
 

海浜公園観覧車の塗装工事完了後昭和23年の創業で永年の業歴を誇る同社は、専属協力会社28社を傘下に置き、優れた塗装技術と顧客第一主義の営業展開により、年商11億円余と県内塗装業界をリードしています。
 現在三代目の社長となっている同社ですが、「先代たちの伝統を受け継ぎながらも、お客様にどうすれば喜んでもらえるのかを模索しながらと常々取り組んできました。そして、その実現のために社員の教育と組織の活性化に努めてきたことが今に繋がっていると思います。」と増田勝人社長は言います。

 

 

 実父への憧れから事業を承継

 

 増田社長の祖父が創業した頃は、一般住宅の塗装のみを行う小規模な個人事業者でしたが、昭和48年、二代目実父の代になると法人を設立し、橋梁やコンビナート、発電所の塗装まで業容を拡大、取引先も大手ゼネコンや官公庁が主体となり、年商も5億円程まで一気に成長していくことになります。
 その中で当時の記憶をこう振り返ります。「私が子供の頃、よく〝ペンキ屋の息子〟と言われ、その響きが嫌だったんです。〝でもなんで父はペンキ屋なのにいつもスーツを着ているんだろう〟と不思議でなりませんでした。」

 決して好きではなかった塗装業界でしたが、実父の働いている背中を見ながら育つうちに、ふつふつと事業に対する意欲がわいてきます。「塗装業という仕事よりも、父の働く姿に憧れたんです。私の父は、こだわりを持った技術屋であると同時に筋の通った人間でした。現場の職員でも大手ゼネコンや官公庁の方とでも話し言葉が全く変わらないほど裏のない性格に惹かれ、いつしか父と同じ環境で仕事がしたい、そして父に追いつきたいと思いました。」
 こうして、平成元年から現増田社長が同社に従事、親子二人三脚体制で同社は新たなステージに向けて発展していくことになります。

 

 技術力やサービスの向上は社員のモチベーションアップから

 

事務所内の様子 増田社長が同社に従事し現場に赴くようになってから、しばらく気になっていたことがありました。それは一生懸命やる人とやらない人の差が激しいことでした。しかし、手当は仕事の経験年数でほぼ決まっています。
 「これでは、一生懸命頑張る社員、特に若い人のモチベーションが上がらない。なんとかしなければ…。」と思った増田社長は、代取に就任した平成10年頃から思い切った組織改革に着手します。それは、当社の事業体制を受注の確保・発掘や材料・資金調達は本部で行い、それ以外の現場部門は「専属協力会社」として組織化することでした。現在この協力会社は28社を数えますが、1社あたりの従業員は平均10名程度の規模です。これらの協力会社を競わせ、頑張った会社には利益を還元するシステムとしたのです。なお、これら会社の中には30代半ばの社長も何人かおり、能力に応じた体制をとっています。
塗装工事中の現場(日立建機常陸那珂工場) 「いくら技術の指導をしたところで、最終的に作業を行うのは〝人〟です。この社員のやる気をアップさせるためには、マンネリ化した職場の雰囲気を一新する必要があったのです。その意味でこの組織化は大きく社員のモチベーションを変えました。」と語る増田社長。もちろん、本社と協力会社の意思疎通を図るための会議も毎月8日に〝八日会〟と題して行っています。
 また、同社の塗装工事は現場で行う方法をとっており、その現場の数は概ね40箇所にもなります。この現場に増田社長はその都度出向いて、顧客の生の声、特に現場職員の評判を聴いて回っているそうです。
 「物が良いだけでは良い仕事とは言えません。お客様に気に入られる対応が出来る職員を育てていきたいと思っています。塗装工事業、そして建設業だってサービス業なのです。」

 

 このような理念で取り組んできた同社は、リピーターの顧客が多いことが特長で、受注が安定的に推移している最大の要因と言えるでしょう。そして、同社が手掛けてきたものには、県庁舎を始め、国際会議場、大洗水族館、東海村の原子力・火力発電所等、我々がよく知っている有名な施設が多いことに驚かされます。

 塗装業の認識を変えていくために・・・

 増田社長が新たに手掛けた事業としてリフォーム事業があります。一級建築施工管理技士を6名確保して、顧客の様々なニーズに対応できる設計に取り組み、この事業のシェアは現在全体の20%程度まで成長しています。このリフォーム事業で確保した顧客は塗り替え工事の需要もあることから、コア事業である塗装部門とのシナジー効果も図れるのです。
 なお、塗装技術が県内トップクラスの同社ですが、現在更なる進化を遂げようとしています。「弊社では環境問題への取り組みの一つとして、生産工場における屋根の断熱塗装も製品化しました。夏は涼しく、冬は温かい構造となり電力量を大幅に削減できるのです。今後受注先を増やし、本格的に生産できる体制を整えて行きます。」と語る増田社長。
 

 その他にも、化学プラント関係の塗装等、これまで一般的に業界が出入りしていないような分野にまで進出を考えている増田社長。「塗装業のイメージを変えて行き様々なニーズに対応する設計部門たいと常々考えています。社会やお客さんが望むものを追及し、またこちらからも積極的に提案していくビジネスを行っていけば、塗装業だってまだまだ発展の余地はあるんです!」


 まさに顧客第一主義の同社は、無限の可能性を秘めていると言っても過言ではないでしょう。同社のさらなるご発展をご期待申し上げます。

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