茨城県信用保証協会

元気企業

2014年09月

株式会社照栄製作所

高い技術力と充実した設備で高品質の金属製品を生み出す。

代表取締役社長 庄司 剛
創業 昭和50年9月
事業所 茨城県日立市十王町伊師20-12
事業内容 精密鈑金、厚板溶接構造物製作、機械加工、金属プレス加工
電話番号 0294-20-6088
URL http://www.shoueigp.jp/

 株式会社照栄製作所は、日立市に本社を構え、鉄・ステンレス・アルミなどの各種素材の製缶品の製作を主力事業とするほか、高い精度が要求される電力設備関連品や大型構造物の製作を行っています。特に、多種多様な厚さの金属を正確に接合する高度な溶接技術では、取引先から厚い信頼を得ています。
 平成26年8月12日、日立市の本社を訪問し、庄司剛代表取締役社長にお話を伺いました。

当社のあゆみ

照栄製作所の創業は昭和50年、当初は薄板板金加工を主力事業としていました。創業者は、庄司社長の義父であり、現在代表取締役会長を務める庄司照男氏です。何度か事業規模の拡大に伴う移転を行いながら、昭和60年には有限会社照栄製作所として法人化、平成4年に株式会社となり、平成17年からは日立市十王町に本社・工場を置いています。

現本社・工場に移転して以降は、広大な敷地と最大20トンの重量物を移動できる大型クレーンを備え、次第に大型製缶や構造物の製作を主力事業とするようになりました。

庄司社長は、平成4年に当社に入社してから数年間は金属加工技術、設計、経理などの各種業務の経験を積まれ、平成13年に代表取締役社長に就任しました。就任当時は30代前半と若く、大変な苦労をされたそうです。しかし、会長をはじめ周囲の協力を得ながら経営に必要な知識を深め、持ち前の行動力で当社を成長に導いてこられました。

  • 日立市の本社工場

  • 大型の金属加工品

多様なニーズにこたえる技術と設備

当社の強みとしてまず挙げられるのは、溶接に関する高度な技術力です。

当社では0.2mm~200mmまでと様々な板厚の溶接に対応可能で、難易度の高いステンレスやアルミの溶接も得意としています。現在は高い精度が要求される原子力発電所関連の案件も請け負っています。更に、大手電機メーカーのOBを社員として招いて技術指導を仰ぐなど、現状に満足せず、日々技術開発を重ねています。

若手技術者の育成にも力を注いでいます。当社では意欲のある若者を毎年採用し、高度な溶接技術の継承を積極的に行っています。コンクールにも参加させており、過去には当社の社員が日本溶接協会茨城県溶接技術コンクールで最優秀賞を獲得したこともあります。

もう一つの強みは、充実した設備を持つことで、顧客の利便性を高め、幅広い仕事の受注ができることです。例えば、焼鈍装置(溶接の際に生じる歪みを改善し、精度を高める装置)・ショットブラスト処理装置(金属の錆などを取り除き、表面を整える装置)の導入により、全工程を社内一貫生産、高品質の製品を安価・短納期で納品することを可能としました。また、当社は最大吊り上げ荷重20トンの大型クレーンを保有しており、他社では対応できない大型構造物の製作を受注できる体制が整えられています。

「誰にでもできるような大量生産品は海外企業に任せ、他社にまねできない知識と技術を必要とする熟練の技を生かせる仕事に力を入れています。『大型構造物や溶接なら照栄だ』といってもらえるような仕事ができるよう心がけています。」
と庄司社長はおっしゃいます。

  • 20tクレーン

  • ショットブラスト装置

今後の目標

平成23年に発生した原発事故以降、原子力発電所関連の受注環境は全体として厳しい状況に置かれています。しかし一方で、廃炉作業に必要な鋼鉄製の放射線遮蔽壁の製造など、高度な技術でしか製造できない難しい仕事の依頼は増えているそうです。

現在、当社では販路拡大を目指し、営業力向上の取り組みを行っています。大手電機メーカーのOBや取引先からの紹介で仕事を得ることの多かった当社ですが、最近では展示会への出展などを意欲的に行っています。更に、自ら積極的に働きかけて取引先の拡大や受注の増加を図るため、今後は営業部門を創設することも視野に入れています。

また、コスト管理にも力を入れています。受注した製品の一つ一つに管理表を付けて管理費の可視化や正確な作業進捗管理を行ったり、定期的に外部から講師を招いて製造部門の社員も含めた勉強会を行ったりと、コスト意識向上に努めています。

会社全体でこれらの取り組みを行うことで、経営のさらなる効率化を図り、収益性を高めることが庄司社長の現在の目標です。

  • 匠の技で難易度の高い溶接もこなす

おわりに

庄司社長は経営を行う中で、当社の行動指針の内の一つ「社員全員が笑顔で明るく働ける職場作りを行う」ことを最も重要視しており、風通しの良い職場を目指して積極的に社員の話を聴くようにしていらっしゃいます。また、先代からの伝統として、ボウリング部、ゴルフ部の活動や、花見、暑気払い等の季節行事を通して社員同士が交流できる機会を作り、仕事だけでなく“遊び”も大切にすることで、社員が充実した生活を送れるよう気を配っています。先代の頃から様々な人とのつながりに支えられてきた当社では、社の内外を問わず人との“縁”を大切にしています。

会社に息づく人との“縁”を大切にする姿勢や、技術への誇りに根ざしたものづくりに対する真摯な姿勢が、会社そのものへの周囲からの信頼につながっているのだと思います。

今後のますますのご発展をお祈り申し上げます。

  

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