茨城県信用保証協会

元気企業

2014年02月

株式会社システム空調

革新的な空調システムの設計開発・施工により、社会に貢献する。

代表取締役 石本和夫
創業 平成22年1月
事業所 土浦市神立中央3-19-32
事業内容 空調システム設計・施工
URL http://www.system-kucho.jp

 株式会社システム空調は土浦市に本社を有し、オフィスや飲食店、商業施設向けの空調システムの設計開発・施工を行っています。
 平成25年12月19日、土浦市の本社を訪問し、石本和夫代表取締役に話を伺いました。

創業1年目の危機から飛躍への転機

石本社長は、大手設備工事会社で空調システムの設計や現場管理などに長年従事し、専務取締役を務めていました。

ところが、会社のM&A(買収)により、平成21年12月に同社を希望退職し、翌年1月、当社を設立しました。

石本社長は創業当時を振り返って、
「独立前に培った多くの人脈と空調設備の設計や施工に関するノウハウがあれば、独立してもうまくいく自信がありました。しかし、現実は厳しく、創業1年目は受注が全くない状況がしばらく続きました。」
とおっしゃいます。

そのような危機的な状況にある中、石本社長は画期的な空調システムを開発します。開発のきっかけは、冬のある日、本社内のエアコンのない一室でストーブを焚いても足元が一向に温まらない状況をどうにかして改善したいと考えたことでした。

比重の軽い暖かい空気は天井付近に、比重の重い冷たい空気は床面付近にたまるため、通常、天井面と床面付近の温度差は10度近くに達します。

分ダクトファン風太郎

そこで、エアコンのない一室の天井に取り付けたファンと天井裏に新設したダクトをつなぎ、ダクトのもう一方の端を隣の部屋の天井埋込型エアコンとつなぎ、ファンを回してエアコンの温かい空気を強制的に送風することを思いつきました。

試行錯誤の結果、天井付近から吸入した空気と、エアコンで空調された空気を混ぜ合わせて室内の空気を循環させ、室内の温度差をスピーディーに均一化する電動ファン「分ダクトファン風太郎」が完成しました。

飲食店やホテルなどで導入が増えている「分ダクトファン風太郎」

    「分ダクトファン風太郎」導入のメリットは以下のとおりです。

  1. 1台のエアコンで空調された空気を複数箇所に送風することができるため、エアコンの設置台数を削減できる。
  2. エアコンとプラス風太郎を導入すると、建物新築時の工事費が10%~25%、エアコンの入れ替え時や増設時の施工費が10%~20%削減できる。
  3. エアコンの設置台数削減やスピーディーな空調による稼動時間短縮、エアコンの設定温度の適正化により、電気代が25%~35%削減できる。

石本社長は、
「省エネに多額のコストをかけるのは誰にでもできます。費用をかけずに行うのが本当の省エネだと思います。無駄な費用を抑えつつ環境問題や電力不足の問題に貢献できるのが理想であり、当社製品の強みです。」
とおっしゃいます。

分ダクトファン風太郎の設計では、天井高、面積、温湿度、風量、風速などの各種データを基に、施工現場ごとに複雑かつ高度な設計計算が必要で、他社では真似できません。

その実力は口コミで次第に広がり、大手ファミリーレストランや高速道路のサービスエリア、ホテル等で採用され、最近では官公庁での採用の動きも広がっています。

また、大規模商業施設の開発を手がける大手住宅メーカーにもその実力が認められ、大規模商業施設に対応した製品も注文にて開発しています。

世界に広がる、空調を通じた社会貢献

当社は「分ダクトファン風太郎」で国際特許を取得し、平成25年4月から日系企業が多数進出するタイに支店を設けて販売を行っています。

また、平成26年初頭に中国で現地法人を設立し、中国で現在深刻な問題となっている空気中の発がん性物質「PM2.5」を99%除去できる高性能フィルターを装着した「分ダクトファン風太郎」の販売も計画しています。

石本社長は、
「PM2.5対応のため、中国上海にて現地調査を実施しました。フィルターの形状や性能、厚さの調節など、現地の使用状況や嗜好に合った製品の開発はまさに試行錯誤の連続でした。お客様の困りごとを解消し、社会のニーズに合ったものを開発していくことが我々の使命なのです。」
とおっしゃいます。

おわりに

当社では、「分ダクトファン風太郎」の他にも、壁や間仕切りを使用しなくても喫煙専用ルームを作ることができる日本初の分煙空調システムを開発するなど、高度な技術力で画期的な製品を生み出し続けています。同システムは、全国の受動喫煙防止条例をクリアすることができ、配膳のために喫煙ルームに扉を設けることができないファミリーレストランやホテルで大変喜ばれています。

石本社長から話を伺い、大手企業の重役の立場から、独立・創業というまさにゼロからのスタートを選択された勇気と行動力に驚くとともに、その飽くなき好奇心や探究心に感銘を受けました。

石本社長には、ものづくりや技術革新の真髄を教えていただきまして、誠にありがとうございました。

今後のますますの発展をお祈り申し上げます。

  

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