茨城県信用保証協会

元気企業

2016年06月

有限会社大竹工業

代表取締役 大竹 許欽
創業 昭和42年
事業所 稲敷郡河内町長竿字堂前 1875-2(本社・工場)
事業内容 産業用冷凍機の筐体製造
ステンレスの板金・プレス・溶接加工
電話番号 0297-84-3648

 有限会社大竹工業は、稲敷郡河内町に本社・工場を構え、大手産業用冷凍機メーカーを主力取引先に、産業用冷凍機の筐体製造などを行っています。加工の難しいステンレス素材の高精度な加工と、全長が10メートルを超えるような大型部品の製造にも対応できる強みを持つ会社です。
 平成28年5月13日、河内町の本社・工場を訪問し、大竹許欽代表取締役にお話を伺いました。

当社のあゆみ

河内町の本社・工場

 当社のあゆみは、昭和42年に大竹社長がお父様を誘い、河内町の自宅の一角で板金加工を行う当社を設立されたことから始まります。大竹社長の実家はもともと農業を営んでいて、大竹社長も家業を手伝っていましたが、農閑期が長く、その間に安定した収入を確保できる仕事を模索する中で、板金加工業の創業を思い立ったそうです。創業当時は、大型バスの床下の点検口の縁枠やバンパーなどの金属部品加工を行っていました。
 その後、昭和62年に現在の主力取引先である大手産業用冷凍機メーカーとの取引が始まったことで会社は大きな飛躍を遂げ、作業工程の機械化が進む中で工場が手狭になったことから、平成元年に本社機能と生産拠点を現営業地に移転し、現在に至ります。

ものづくりの精神

 創業当時について大竹社長は、
「全く経験がない中での創業でもあり、朝から晩までハンマーで金属板を叩き続け、夜にはハンマーを握る力がなくなるような日々でした。当時は機械もなかったので、板金加工とは、ハンマーでひたすら叩くことだったのです。」
と懐かしそうに振り返ります。
 経験のない大竹社長にものづくりや経営のイロハを教えてくれたのは、神奈川県内で板金業を営んでいた大竹社長の叔父様でした。叔父様はとにかく仕事に厳しく、
「とにかくいいものを作らないとだめだ。手を抜くと必ず不具合が出て、良い品質のものも、早くも作れない。だから仕事で手を抜いてはいけない。」
とよく言われ、ものづくりのイロハを叩き込まれたそうです。それは、今日に至るまでの当社の経営の礎となっており、大竹社長は叔父様を恩人と慕っています。

会社の飛躍とそれを支える技術力

 昭和62年、それまでの自動車部品に加え、産業用冷凍機の筺体製造に進出することで、当社は大きな飛躍を遂げます。
 取引のきっかけは、当社の隣地で営業を行っていた同業者から、大手産業用冷凍機メーカーから発注される冷凍機の筺体製造の仕事を一緒にやらないかと誘われたことです。
 取引を始めた当初は、隣り合う同業者と当社の工場建屋を連結し、協力しながらメーカーの受注に対応していました。その後、メーカーから厚い信頼を得た当社は、直接取引ができるまでになり、取引関係は今日まで約30年にわたり続いています。
 当社では、加工の難しいステンレスの加工に特化した経営を行っています。ステンレスは鉄にクロムを含有させた錆にくい素材で、その特性から異物混入が許されない食品業界で重宝され、産業用冷凍機でも多く用いられています。一方、ステンレスは鉄と比較して熱伝導性が低く、切削や溶接の際には1箇所に熱が集中するため、急な温度変化からひずみや割れをおこしやすい加工の難しさがあります。
「ステンレスは図面どおりに加工したのでは、そのとおりには仕上がりません。工作機械の癖や加工の際の温度変化、ひずみの出方をあらかじめ予測し、考慮に入れた上で加工を行っています。また、冷凍機は常温から50~60℃低い過酷な環境で使用されるため、その際に素材や溶接部にどんな変化が起こるのかを常に考えながら作業を行っています。」
大竹社長は力を込めます。
  • 精度を高めるためのレーザー溶接作業

  • 冷凍機内で冷気を出すスリットノズル。
    形状は複雑で、多くの工程が手作業。

 産業用冷凍機は食品製造工場で使用されますが、大半が食品メーカーの工場のレイアウトや冷凍する食材に応じたオーダーメイドで、量産ができません。また、食の安全に対する意識の高まりや生産効率向上のため、年々機械の構造に対する要求が高まっており、それに絶えず応えつづける柔軟さが求められます。
 現在受注が増加しているスパイラルフリーザーは、全長数10m~20mほどのラインを水平方向に通過する中で冷凍させる一般的なフリーザーとは異なり、ベルトコンベアに食材を乗せ、高さ4m~12mほどの冷凍機内をらせん状に上昇移動させる過程で食材を冷凍させるもので、冷凍機の設置面積を省スペース化できるメリットがあります。スパイラルフリーザーの製造に対応するため、当社では新しい工場建屋を建築し、取引先の要求に対応しています。
 長年加工の難しいステンレスの加工を手がけて蓄積してきた高い技術力と、取引先からの要求に迅速に対応できるフットワークの軽さで、競合他社との大きな差別化を図っているのです。
  • スパイラルフリーザーに対応した新しい工場建屋

  • スパイラルフリーザーの筐体

人材の育成

 これからのものづくりについて大竹社長は、
「使い捨てや資源の大量消費を生む量産の時代は終わったと考えています。これからの時代は、良いものをいかにコストをかけずに造るかの勝負になると思います。」
とお考えをおっしゃいます。
 当社は従業員数25名と少数精鋭で、受注は年間の特定の時期に集中し、限られた人員と納期の中で、高精度な部品を製造することが常に要求されます。そのために、大竹社長は、業務の効率化や労働時間の短縮に特に気を遣っており、納期短縮の方策や楽な作業手順を、作業にあたる全員で考えることを心がけているそうです。作業時間の短縮は、社員が私生活を充実させ健康を保つことにもつながり、それは大竹社長の願いでもあります。
「社員には、段取りの大切さを伝えています。事前の寸法チェックに作業時間の50%をかけ丁寧に下準備をした方が、見切り発車で作業を行うより早く正確に作業を終えられ、結果的にコスト削減につながります。作業のやり直しや不具合品を出さないことが、労働時間短縮とコスト削減につながるのです。」
と大竹社長はおっしゃいます。
 限られた経営資源と環境の中で、全員が常に考え議論を重ねつつ作業にあたる社風が、人材の育成や技術の蓄積、コスト削減や労働環境の向上につながっているのです。

おわりに

社員のみなさん

 大竹社長の奥様や3人のお子さんは、全員が当社に関わられ、ご家族も当社を支えています。
「これまで会社を経営してこられたのは、社員や家族、取引先など、多くの周りの方々に恵まれ、支えられてきたからです。」
大竹社長は、創業からこれまでを振り返ります。
 長年尽くしてくれた社員や家族のために、安定した経営状態で会社を引き継いでいくことが、大竹社長の現在の目標です。
 取引先からの高まる要求に対応できるように、最新の工作機械を導入して生産効率を高めるなど、競争力強化のための設備投資を進めています。
 国内外の他社との競争について大竹社長は、
「競争は厳しさを増しています。しかし、ものづくりには良いものをつくろうとする人の思いや探究心、誠実さが欠かせませんから、それを失わなければこれからもやっていけると思います。」
とおっしゃいます。
 今回の取材で印象的だったのは、大竹社長の信用や信頼に根ざした経営です。納期や品質をしっかりと守り、たえず変化していく取引先の要求に対して誠実に対応し続けていくことが、自社の技術力向上や強固な取引関係の構築、経営基盤の安定につながり、会社の成長を可能にしていくということを教えていただきました。
 今後のますますの発展をお祈り申し上げます。
  

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