茨城県信用保証協会

元気企業

2016年11月

鹿島物流株式会社

代表取締役社長 宮﨑 良之
創業 平成2年
事業所 神栖市南浜1番地1(本社・倉庫)
つくばみらい市高岡844番地1(支店)
潮来市延方3726番地(倉庫)
事業内容 運送業、倉庫業(流通加工を含む)
電話番号 0299-95-0031

 鹿島物流株式会社は、メーカーが生産した食品・日用品・医薬品・医薬部外品・化粧品等の商品を、卸売業者や小売店に届けるまでの運送、保管、流通加工を手がける企業です。流通加工の業務においては、包装・梱包・封入、検品、組立て、作業を一貫して行うことで、商品の価値を高めています。
 平成28年9月27日、神栖市の本社を訪問し、宮﨑良之代表取締役、社長室室長の加瀬さんにお話を伺いました。

当社のあゆみ

神栖市南浜にある本社・倉庫

 宮﨑社長は、学校卒業後、就職した物流会社で約20年間勤務されていました。役職が上がるとともにデスクワークが増えていく一方、現場で営業を続けることに魅力を感じていた宮﨑社長は、平成2年に独立して当社を設立。当初は鉄筋・木材等の住宅建材の梱包・運送を行っており、バブルの好景気もあって、事業はすぐに軌道に乗っていきました。
 その後、知人の紹介によって大手メーカーの食品・日用品・薬品・医薬部外品・化粧品等の商品の運送、保管、流通加工を任されるようになりました。受注が増えたことにより、平成9年神栖市に自社倉庫を建設し、現在は3拠点で事業を展開しています。
  • エアシャワー付の倉庫

  • 適切な温度・湿度が保たれた倉庫内

  • 商品を運ぶ土台となるパレットは
    当社が洗浄・修理を代行している

社員の絆で効率化

 経済や時代の波にもまれながらも、順調に業績を伸ばしてきた当社でしたが、平成21年に最大の危機が訪れます。当時の売上の50%を占め、運送のみならず利幅の大きい保管・梱包・仕分けも請け負っていた顧客の商品が、安全性の問題から販売中止になりました。この状況を打破するため、社長室室長の加瀬さんは新規顧客開拓に向けた懸命な営業活動を行いました。
「『勤務日数が少なくなっても、受注が元に戻るまで会社に残ります』と言ってくれたパ ートさんたちは、とても能力が高く、今でも当社の大切な宝となっています。そう言ってくれた人たちのためにも、“なんとしても仕事をとってこよう”と決意を新たにしました。」

梱包作業ライン

 平成23年には、経営改善に向けた 5 ヵ年計画を作成しました。計画目標を達成しようと、正社員のみならずパート従業員も自ら業務の効率化に取り組んだそうです。
「毎朝のミーティングで、各々の今日の目標を決めます。目標は違えど、それぞれ達成しようと努力することで、社員全員が同じ方向に向くことができます。終業後、達成された目標に対してみんなで拍手を贈ることで、仕事に対するモチベーションを高め、さらなる業務の効率化を図っています。」
 全社一丸となって目標を達成した現在も、その取り組みは続きます。

女性の目による厳しい検品作業

女性社員の活気があふれる昼風景

 当社が顧客から選ばれる理由は、仕様書どおりに正確な作業をすることはもちろん、顧客の気付かない小さな傷や、わずかな汚れまで見つけ、即時に顧客へ報告する体制が根付いているためです。
 ある大手企業から、新製品の検品作業を請け負った時のことでした。新製品は梱包の品質などが安定せず、問題が発生しやすいので、細心の注意を払って検品を行う必要があります。そのため、梱包業者に任せることがめったにない作業なのですが、当社は一度も不良品を市場に出すことなく、その注文をやり遂げたそうです。
「倉庫業や運送業は男性の仕事だと思われがちですが、当社では梱包・組立てなどの流通加工を女性が中心となって行っています。機械では見つけられなかった小さな穴や、とても細かい傷や汚れでも、女性の目線で見抜くことができます。」
 丁寧な検品作業で、わずかな傷も見逃さず報告してきた実績は、新しい顧客の開拓にも繋がりました。期待以上の仕事をこなすことで信頼関係が深まり、現在では何件もの大口の注文を受けるまでになっています。

愛社精神をもつリーダーの育成

 宮﨑社長は、次世代を担う社内リーダーを育成するために、人材育成に取り組んでいます。
「人材育成の方針は、『社長も社員も分け隔てなく話ができるようにする』ことです。心が通じ合える人間関係でなければ、社員は会社に定着してくれません。時間をかけて仕事のスキルを磨き、仕事の面白さを感じることを通して、愛社精神をもってもらいたいと思います。」
 経営が厳しかった当時、社員から経費削減のための大胆な案が出されました。
「社員からの提案により、営業車を燃費の良い車に入れ替えたり、私自身の役員報酬を半分にしたりしました。ガソリンエンジン車からディーゼルエンジン車に買い替えることで、燃料費が1年間で約200万円も安くなり、5年間で車1台分の費用になると教わりました。また、役員報酬の削減についても、社員に協力する姿勢を示さないと、我慢を強いていた社員への模範にならないことに気づかされました。」
 このような役職に関係なく自由に発言できる社内環境によって、会社の危機を乗り越えられたとお考えの宮﨑社長は、自ら積極的に社員の意見を取り入れているそうです。

おわりに

 厳しい時期を協力して乗り越えたことは、社員全員が共有する「自分たちの仕事」「自分たちの会社」という強い意識の礎になっています。この主体性こそが、当社の強みである顧客への積極的な改善提案や、妥協のない品質管理に結びついていると感じました。
 「本当に社員全員のおかげです」何度も口をそろえて語る宮﨑社長と加瀬さん。社員一人一人の努力や個々の能力の高さを日々感じているそうです。
 今後も、宮﨑社長が目標を示し、社員全員でその効率的な達成の仕方を考えることで、当社は前進していかれることと思います。
 今後のますますの発展をお祈り申し上げます。
  

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