元気企業
2015年02月
篠﨑コンクリート株式会社
高品質な製品と堅実な経営方針で、地域発展や被災地復興に貢献する
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代表取締役 篠﨑 和彦 創業 昭和55年6月(法人設立) 事業所 結城市大字田間2325-6(本社)
宮城県名取市愛島台1丁目101-64(支店)事業内容 コンクリート二次製品(フェンス・ガードレール基礎土台等) 製造販売 電話番号 0296-35-0590
篠﨑コンクリート株式会社は、結城市に本社、宮城県名取市に仙台工場を置き、フェンスブロックやガードレール・道路標識・カーポート・街路灯等のコンクリート基礎土台などのコンクリート二次製品を製造・販売しています。
平成26年12月22日、結城市の本社を訪問し、篠﨑和彦代表取締役に話を伺いました。
当社のあゆみ
当社は、篠﨑社長のお父様による個人事業から始まりました。建材の砂利・砂などを取り扱っていたことから次第にコンクリート製品の製造を行うようになり、昭和55年に有限会社として法人化しました。
篠﨑社長は、運送・道路工事など様々な業種の経験を経た後、平成21年に当社に入社し代表取締役に就任、平成23年には株式会社へ商号変更を行いました。
現在では、フェンスブロック・ガードレール等の基礎土台のほか、震災後に需要が高まった太陽光発電施設の基礎や防潮堤用のブロック等を、本社工場と仙台工場の2ケ所で生産しています。
結城市の本社工場
東北支店・仙台工場
社会的使命と顧客ニーズの追求
当社で取り扱う製品は、コンクリート二次製品としては比較的小型で単価も安く、小ロットで製造に手間のかかるものが中心です。しかし、だからこそ大手企業が容易に参入できず、競合他社が少ないメリットがあるのだそうです。
ガードレール用置基礎
ガードパイプ用丸型置基礎
フェンス用基礎(埋込)
篠﨑社長は、
「民間・公共工事ともに長い間減少傾向にありましたが、池を囲むフェンス、道路を仕切るガードレールのような社会の安心安全を守る製品の需要は増加を続けています。社会の安全を守る様々な製品の基礎を固めるのが我々の仕事です。」
と、力を込めておっしゃいます。
当社では、顧客の要望にきめ細かく対応し、数百種類もの製品を製造できる多品種少量生産の体制をとっています。それを可能にしているのは、業界でも屈指の数を誇る型枠の保有や、自社生コンクリート生産プラントの保有、熟練技術者の存在です。
構造物を支える基礎として、高い品質が求められるコンクリート。材料の生コンクリートは、湿度や気温にも左右されるデリケートな素材です。当社では、品質を確保できるよう、本社工場と仙台工場ともに生コンを生産できる自社プラントを保有しています。また、熟練の技術者が様々な気象条件に応じて日々材料の配分調整を行い、品質を管理しています。
自社プラントを保有することで、①顧客の要望に迅速に対応できる、②震災後の生コンの供給不足・価格高騰の状況下でも材料費を圧縮できる、③輸送費を削減できる、など様々なメリットが生じています。
さらに、輸送スタッフやトラックを擁し製品の輸送を自社で行い、顧客の要望に合わせた納品を行っています。
多数の型枠を揃え、サイズ・形状が少しずつ異なる注文にも対応
篠﨑社長は自社の生産・配送体制について、
「顧客の要望にきめ細かく対応することを考えていた結果です。」
と、おっしゃいます。
材料から手がける製品製造や配送まで自由度高く行うことのできる体制の構築により、高品質の製品を提供し、コストを削減し、顧客の要望にきめ細かく対応することを可能にし、業界での確固たる地位を確立しているのです。
震災復興への取り組み
篠﨑社長は、経営上『前向きに考えること』を信条としていらっしゃいます。
会社が元気にならなければ社員も元気になれない、自分達で景気を引き上げようという前向きな考えのもとに経営の指揮を執ってきたそうです。東日本大震災の発生後、実際に現場に足を運び被災状況を目の当たりにした篠﨑社長は、
「今こそ挑戦すべき時だ、自分達が復興に貢献しなければならない。」
と奮い立ったそうです。
震災後すぐに、篠﨑社長は被災地復興にかかわる業務に取り組み始めます。まだ閉鎖されている道路も多い時期から、当社は仮設住宅の基礎部分などの出荷を始めました。当初は本社工場からの製造・輸送でしたが、顧客の要請への迅速な対応やコスト削減のため、平成24年5月に東北支店・仙台工場を宮城県名取市に設置、翌年には生コンクリートのプラントを仙台工場にも建設しました。
「地元が潤わなければ、復興の効果も半減してしまいます。安定した雇用を提供することで少しでも被災地復興に貢献したいと考え、仙台工場の従業員は全て現地で採用しました。」
と篠﨑社長はおっしゃいます。
篠﨑社長は、代表取締役就任以来、堅実に財務基盤を整え、企業としての納税の義務を果たし続けることを心がけてきました。
そのような真摯な経営姿勢は取引金融機関等から高く評価され、支店・新工場開設のための融資もスムーズに受けることができたそうです。
東北支店・仙台工場の事務所と新プラント
堅実な経営と今後の目標
『前向きに』という信条の一方で、篠﨑社長は当社の将来や今後の業界動向について常に慎重に見極めたうえで経営方針を定めていらっしゃいます。
復興や太陽光発電の需要等により生産能力の上限近くまで受注がある現在でも、今すぐの設備拡大には慎重な姿勢を崩していません。現在、従業員の多くを30代の若手が占める中、一時的な需要が落ち着いた後もその土地で長く仕事を続け、雇用を守り、地域に貢献していくことを、篠﨑社長は第一にお考えです。
「売上を追うのではなく、良い製品を作ろうという意欲を従業員が持て、努力が認められ、やりがいを感じられる職場環境を作っていきたいと考えています。」
と篠﨑社長はおっしゃいます。
おわりに
篠﨑社長から話しを伺う中で感じたのは、経営者としての“使命感”です。
篠﨑社長は、
「会社を良くするには、毎期利益を上げ、しっかりと納税の義務を果たすことです。」
とおっしゃいます。
どこまでも顧客の要望を追求し、雇用を生み出すことで地元や被災地を活気づけ、納税を通じて利益を社会に還元するなど、様々な社会的使命の実現を伴った経営がとても印象的でした。篠﨑社長のこのような経営姿勢が周囲や社会の共感を呼び、会社の成長につながっているのだと思います。
今後のますますのご発展をお祈り申し上げます。
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