茨城県信用保証協会

元気企業

2014年12月

株式会社井上フード

パンとケーキと〈夢〉を売る、地域に愛されるベーカリー

代表取締役 井上 誠
創業 昭和5年4月
事業所 茨城県下妻市下妻丁396-7
事業内容 パン・ケーキ製造販売、カフェ・レストラン運営
電話番号 0296-43-3400
URL http://www.konakuri.com

 株式会社井上フードは、手づくりパンやケーキの店「粉とクリーム」を中心に多数の店舗を経営する下妻市の企業で、地域では「粉クリ」の愛称で親しまれ、高い知名度を誇ります。
 平成26年11月20日、下妻市の店舗を訪問し、井上誠代表取締役に話を伺いました。

当社のあゆみ

当社の創業は昭和5年、井上社長の祖父の代から乾物を扱う個人商店から始まります。その後は代替わりや時代の変化とともに業態を変え、牛乳の卸や、パンの小売等の飲食業を行うようになり、昭和50年6月に法人化しました。

井上社長ご自身は、一度は家を出て、飲食業を含む様々な職業の経験を積みました。井上社長がバブル期の人手不足等で苦しんでいた当社に戻り、下妻駅前の店舗をベーカリー「粉とクリーム」として新装開店したのは平成4年。お父様亡き後に経営を行っていたお母様に代わり、代表取締役に就任されたのは平成15年のことです。

現在では「粉とクリーム」が下妻の郊外大型店や古河・小山に3店舗、筑波大学キャンパス内の学生食堂が4店舗、そして平成25年3月にはラスク専門店「小さな村の生ラスク屋さん」がつくば市に1店舗開店。パン教室を開いて地元との交流をはかるなど、地域に根ざしたベーカリーとして住民に愛されながら、順調に成長を遂げてきました。

  • 小山Petit Village店の外観

〈夢〉を与えられる店づくり

「粉とクリーム」は、「パンとケーキと〈夢〉を売る店」と井上社長はおっしゃいます。

井上社長はかつて、ご子息の卒業式で小学校に行った際に、小学生の将来の夢に『パン屋さん』が全く無かったことに衝撃を受けた経験があるそうです。

  • 時間帯や季節によって変わる店内の演出

店舗併設のイートインスペース

「当時はバブルの頃で、書かれていた夢は、『お金持ち』などばかり。とても寂しい気持ちになりました。」
と井上社長は当時を振り返えられます。

それを機に、大人・子供を問わず夢を与えられる、思い出に残るパン屋にすると決意。

『パンやケーキを通じて訪れるひとりひとりに〈夢〉と非日常の〈ちょっぴり幸せな気分〉を味わってもらう』というコンセプトや、『中世の南仏の湖畔の小さな村の縁日』というテーマ、カスタード姫と妖精メープルのおとぎ話を井上社長自ら考え出し、店づくり・商品づくりに反映させています。

店舗の装飾は、「日常を忘れて楽しむことのできる空間」を作りたいという想いから、内装を季節ごとに変えたり、高度な照明システムを使って天井に朝焼けから昼の青空、夕焼けまでの空や雲の動きを映し出したりと、視覚的に楽しめる仕掛けが施されています。また、商品の形や名前にもおとぎ話の設定を絡め、ストーリー性のある商品づくりを行っています。

その他にも、店内に飲食ができる広いスペースを設けてお客様にコーヒーなどの飲み物を無償で提供したり、キッズルームを設けたりと、商品・空間・サービスを通じて子供から大人まで誰もが日常を忘れて笑顔になれる、地域で愛されるお店となっています。

  • 人気No.1の「メープルの切り株」と、つくばイオンモール店の生ラスク

チームワークと熱意のパン作り

社員旅行の様子

売上やコスト等も経営上大切な指標ですが、それだけではなく、顧客の喜びをバロメーターにしたいとお考えの井上社長。従業員の採用や教育において重要視するものとして、協調性と熱意を挙げています。

“パンは生き物”と井上社長はおっしゃいます。パンの生地づくりから発酵、焼き上がりまでの間は、その時々で異なる生地の様子に臨機応変に対応しながら作業を行う必要があり、社員同士のチームワークなしにパンを“育てる”ことはできないそうです。会社としても、新商品の品名を社員の意見から取り上げたり、社員旅行を企画したりと、風通しの良い環境を整えています。

また、当社の決まり事の一つに、『食パンを1日10回以上小分けに焼く』というものがあるそうです。これほどの頻度に小分けしてパンを焼くことは業界でも珍しく、朝から夕方まで常に焼きたてのおいしいパンを食べてもらいたい、感動を与えたいという想いからの取り組みです。

「社員一人ひとりが情熱を持ってパン作りに取り組まなければ、お客様に感動を与えることはできません。」
と井上社長はおっしゃいます。

おわりに

当社は東日本大震災の直後、ライフラインが無事だった店舗に材料を全て集めてパンを作り、各店舗で無償配布を行いました。また、つくば市北条地区の竜巻被害の際にも、翌日にはパンを配りに被災地を訪れるなどしたそうです。

井上社長からお話しを伺う中で感じたのは、地域や地域の方々に対する深い愛情でした。
それが当社の全ての行動の原動力となり、店づくりや商品づくり、サービスの向上につながり、お店がより地域に根ざし愛される好循環を生み、会社の成長につながっているのだと思います。

今後の益々のご発展をお祈り申し上げます。

  

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